「テラスハウス」木村花さん母、フジテレビなどを提訴│テレビ局の無責任さを語る
木村花さんが「テラスハウス」出演時のSNS上で誹謗中傷をきっかけに亡くなりました。母の響子さんが、テレビ局の番組作りの問題点や、対応の無責任さについて語りました。
2020年3月31日にNetflixで配信された「テラスハウス」という番組で、木村花さんの商売道具である試合用のコスチュームを誤って乾燥機にかけた男性に対して、花さんが憤るシーンを先行配信した。SNS上での誹謗中傷が相次いだ。4月28日にフジテレビの動画配信サービスFODで、5月18日には地上波で放送されている。5月23日に、花さんは自身でその命を絶った。
木村響子さんは、フジテレビと番組制作会社を提訴した他、NPO法人「Remember HANA(リメンバー ハナ)」を設立。SNSでの誹謗中傷を無くすために活動している。
現在は、裁判の準備をしているという響子さん。
「裁判所に、フジテレビ側や番組制作会社へ裁判資料として番組の映像提供命令が出ているが、全く提出されない。映像があるかないかも含めて、こたえる必要が無いという感じ」
このフジテレビ側の対応に対して、響子さんは語る。
「謝罪をどれだけされても、口だけとしか受け取れない。謝罪する意思があるなら資料を出してほしいし、第三者委員会で正確な審査をしてほしいし、できるはず」
「元々私としては裁判も番組への異議申し立てもやりたくなかった。すごくおかねもかかる。BPOとのやり取りの中でも、花の自死の理由は私たちの親子関係が悪かったせいだとか、私とか他のものに責任転嫁するようなことがあった。そのやり取りだけで、ダメージを受けてしまっていて、本当に誠意がない対応しかされてきていない」
大竹は、テレビ局の番組制作の作り方の問題点と、SNSの有り様の変化について語った。
「ドキュメンタリーといえども、盛り上げようという要素が入っていたんだと思う。ドキュメンタリーと銘打って放送する。問題のシーンはセンセーショナルなぶん、何回も取り上げて放送された。SNSは新しい時代のメディアで、自分の発言をする自由がある。アラブの春までつながるような浸透力の強さがあったけど、そのツールがあっという間に誹謗と中傷で埋まり始めた。それが野放しになっているのが問題」
「この問題を大きく2つに分けると、テレビ局や制作会社が人権を守っていないこと。誹謗中傷が犯罪だと知らずに参加してしまっている人が、この番組を見たらああいった誹謗中傷が出ても仕方ないと言っていること。お互いが責任を押し付け合っている。どちらも悪いのに」
室井も、誹謗中傷で裁判を一つ抱えているという。誹謗中傷を実際に受けた際の気持ちを話した。
「50歳でも誹謗中傷は相当きつい。それを20代のすごくデリケートな時期に、受けた花さんの気持ちは計り知れない。SNSで簡単に人の気持ちを考えずに発言するのは良くない」
響子さんは、番組側の無責任さについて憤りをまじえながら話す。
「BPOとのやり取りの中でフジテレビ側が唯一認めたのが、誹謗中傷に対する断固とした処置を取らなかったこと。そもそも、誹謗中傷が巻き起こるような番組作りが問題。誹謗中傷をした人たちはある意味被害者。番組で巻き起こったことを実際に起きたこととして正義感でやってしまっている。もちろん許されることではないが、そこで前科がついて人生が変わった人もいる。番組がもつ影響力の強さについて、番組側があまりにも無責任」
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