メーカーと小売り、物価上昇の攻防戦 オーケーが花王製品を一部販売中止
2月16日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーターの経済アナリスト森永康平氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、首都圏を地盤とする大手スーパー・オーケー(オーケー株式会社)が、多くの花王製品の販売を取りやめるニュースについて語り合う場面があった。
良いインフレも悪いインフレも、どっちも困る
2月15日、原材料高を理由に洗濯洗剤などの値上げを表明した日用品最大手の花王に対し、低価格が売りのスーパーを展開するオーケーが反発し、多くの製品の販売を取りやめていることが分かった。価格への転嫁か据え置きか、長らく大きな物価上昇がなかった国内事情を映すメーカーと小売りの攻防となっていると、共同通信が伝えている。
花王は今年3月をめどに洗濯洗剤や柔軟剤、ベビー用の紙おむつの一部を値上げする計画を公表。一方でオーケーは、花王から大幅な仕入れ価格引き上げの申し入れがあったとして、145品目の販売中止を店頭で告知。他社製品に順次切り替えているという。(なおオーケーは16日、以前から取り扱ってきた花王商品の約7割は販売継続し、客の要望に応じて取り扱いの再開も検討する、と発表した)
この動きについて森永氏は「これは日本人のデフレマインドを表していますよね。物価に関しては前から好きで、『物価おじさん』として注目していますが、世界からは日本はなかなか物価が上がらないように見えているそうです。外国の方は、なぜ日本は物価が上がらないのかという部分に興味を持って、物価おじさんである私のところに取材が来たりしています。そういう見方をされているんだと面白く思いましたね」と海外からの反応に興味を示した。
さらに、物価も給与も上がるなかで経済を回転させていく現状に寺島アナが触れると、森永氏は「経済を専門としている立場からすると、ついつい『これは良いインフレだ。これは悪いインフレだ』と言ってしまいますが、『経済に興味ない人からしたら、よかろうが悪かろうが値段あがったら困る』というコメントを聞いて、おっしゃる通りだなと思いました。良いインフレや悪いインフレと論じる前に、賃金を上げていかないと値上げが困る状況になってしまう。どうやって賃金をあげるのか、企業ばかりに責任を押し付けるのはおかしいので、その前に国が賃金を上げやすい状況を作ろうと、給付や減税に動いてほしいですね」と指摘した。
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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