吉田たかよし医師がアドバイス 『感染の拡大で認知症が増加!予防の決め手はオリンピックの応援』
オミクロン株の感染が広がっている。報じられている通り、最近の傾向は子どもの間で感染が増え、それが高齢者に波及して急激に広がっている。
第6波で特に問題になっているのはその高齢者が入院している間に、一気に認知症が進んでしまうことが多いことだ。無事退院できて良かったと言っているうちに認知症になり、退院後、今までのような社会生活を送れない高齢者が増えているという。
入院に至らなくても、デイサービスを利用できないケースが増えた結果、家に閉じこもりがちになり、認知症になる高齢者も増えているそうだ。
そうならないために!コロナ禍での認知症を防ぐための注意点を吉田たかよし医師がアドバイスする。
吉田たかよし医師が指摘するのは、高齢の方が外に出て交流することは、脳に刺激を与える上で非常に大事だということだ。高齢者でなくても同じような脳の老化ははるかに若い年代から進行していることもわかっている。
では脳の老化を防ぐにはどうしたらいいのか?
1つの答えが、連日熱戦が繰り広げられている北京オリンピックを全力で応援することだ。オミクロン株の流行とオリンピック開催が重なってしまったが、不幸中の幸いととらえることはできる。
外出せずにテレビの前で応援しても感染リスクはほぼゼロだ。カナダで行われた研究だが、高齢者にとってはスポーツを応援しながら観戦することが脳の老化を防ぐというデータがある。こちらはオーストラリアの研究だが、誰かが走っている映像を見たら、見ているだけなのに、心拍数、呼吸数、血液循環、皮膚で汗を作る汗腺の機能がいずれもアップしたというデータもある。
つまり運動していなくても運動している人を見ただけで、運動している状態に近づくというわけだ。私たちの脳はミラーニューロン(鏡細胞)という神経細胞を使って見ている人と一体化する性質がある。スポーツを見ていてハラハラドキドキすることは脳に良い刺激を与え認知症を防ぐ。
その効果をさらに高める方法は?
松岡修三さんのようなスタンディングオベーションだ。ナイスプレーが出たら立ち上がってテレビの画面に拍手を送る。できるだけ頻繁に拍手をしよう。より強力な認知症予防はオリンピックを観戦しながら、スマートフォンやタブレットで気になったことを検索する習慣をつけることだ。スポーツ観戦は原始的な感情を生み出す大脳辺縁系の老化予防に強い効果がある一方、論理的な思考力を生み出す前頭前野への効果は低い。
この部分を強力に刺激するのがいわゆる「スマホ検索」「タブレット検索」だ。外国人の名前、戦術の名称、選手の出身地、何でもいい。そもそもこれまで慣れていなかった道具を使うこと自体が脳を刺激し、認知症を防ぐ効果があることはアメリカの研究で実証済み。特にスマホ操作などで指を使い、鮮やかな画面を見つめることで脳の中にドーパミンが出やすい状態になる。
今、若い世代のスマホ依存症が指摘されることが多いが、高齢者の場合はドーパミンが脳の中で出ることにより、積極的になり、かつ脳の活動も活発になる。認知症を防ぐという意味でもダブルで効果がある。高齢者が今からスマホを始めて依存症になることはないと、吉田たかよし医師は言う。
そして、最後に高齢者がスマホ、タブレットを使う大きなメリットがある。もしオミクロン株で入院しても、スマートフォンやタブレットがあれば、病院内のルールを守ったうえで、簡単に外部とのコミュニケーションが図れる。それにより孤立化を防ぐこともできる。入院してからスマホの操作を覚えるのは大変だ。今からある程度スマホに触れるべきだと吉田たかよし医師はアドバイスした。
スポーツ観戦もスマートフォンの活用も、人生を積極的に生きるツールだ。
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