宮崎徹さん「猫にとって最大の敵・腎臓病の撃退に光が見えた!」
猫の死因の多くを占める腎臓病。これを撃退するための世紀の大発見!2月10日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)に過去2回のご登場で猫好きから大きな反響のあった、東京大学大学院の宮崎徹教授がご出演。今回も、猫の腎臓病の予防と治療に効果的な物質「AIM」と、腎臓病治療の現在について詳しくお話を伺った。
野村邦丸アナ「まずはAIM(エーアイエム)というたんぱく質について、改めて教えていただけますか?」
宮﨑先生「これは私が20年以上前に発見したもので、私たちが血液の中にたくさん持っているたんぱく質のひとつです。一言で言って何をやるかというと、私たちが生きていますと体の中に色んなゴミが溜まって来るんですね、『老廃物』と言ってもいいかも知れません。
そういうものを迅速に掃除する為の大事な物質で、これがあるから体の中にゴミが溜まらないようになっています」
邦丸「体の中で起こる炎症について教えてください」
宮﨑「例えばばい菌とか、今のコロナのウイルスもそうですが、そういうものに罹って行きますと、私たちの体の中の細胞を痛めるんです。その痛んだ細胞の死骸がすんなり片づけられないで溜まって行きますと、そこでまた色んな免疫が暴れ出してしまう。それがいわゆる炎症で、虫刺されで腫れたりしますよね、ああいう状態のことが体の中で起きていると考えていただければ。AIMはその老廃物にベタッとくっついて『ここにゴミがありますよ!』と教えるんですね。そうすると体の中にある掃除する細胞がAIMごとパクッとゴミを食べてしまう。すごい原始的なんですけど」
邦丸「そして猫です。猫も人と同じように体内にAIMが存在する。ところが、そのAIMが機能しないために多くの猫が腎臓病で命を落としているということですが」
宮﨑「猫の場合もちゃんとAIMを持っていて、ストックもたくさん持っているんですけど、ゴミが出て来ても活性化できなくて働けないんですね。宝の持ち腐れとはまさにこのことでして、なのでゴミは色んなところに溜まり放題。やっぱり一番ゴミが溜まりやすいのは腎臓ですので、それで猫は腎臓病に罹りやすい。ある意味遺伝病のひとつといいますか」
邦丸「で、このAIMを宮崎先生の実験室で、オーナーさんの同意を得た上で猫の体にAIMを投与しました。どうなりました?」
宮崎「最初に投与させていただいた猫が余命1週間と診断されて、ガリガリに痩せてしまって立ち上がれないような状態だったので正直私もさすがに無理だろうと思ったんですが、投与してすごく元気になってご飯を食べるようになって、その子はその後1~2ヵ月に1回投与して、1年以上元気に生きてました。ちょっとビックリですよね、ある意味」
その後このAIMを薬品にする研究をしていたが、コロナ禍の影響で暗礁に乗り上げて中断。しかし歌手の藤あや子さんら多くの猫好きの人の寄付などで猫の治療薬の試作品が作られているという。
現在はAIMを前もって投与していくと腎臓病の予防にも効果があるのでは?として、予防方面でも研究が進んでいるとのこと。
また、猫と並行して人の腎臓病を治療するための薬も開発中ということで、腎臓病に悩む人にとっても今後大いに期待できそうだ。
※宮崎先生が開発した猫の健康維持ドライフード「AIM30」が株式会社マルカンから近日発売予定。ペットショップ他スーパーマーケットなどでも入手可能。
また、宮崎先生の研究成果をまとめた話題の本『猫が30歳まで生きる日』は、時事通信社より税込み価格1980円で販売中!
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。