なぜ、リケジョは少ないのか? 女性研究者の育成に向け大規模調査へ
2月9日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーターの政治学者の施光恒(せ・てるひさ)氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが理系女子、「リケジョ」の育成に向けた大規模調査について意見を交わす場面があった。
施氏「学校の教え方が男性中心的なのかも」
政府は2022年度にも、理工系分野を専攻する女性、「リケジョ」を育成するため大規模調査を実施する方針だ。全国の高校生と大学生を対象に想定し、文系理系の選択や志向が傾いた要因を探る。
政府は女子の理系選択を狭める一因として就職後、結婚や出産などで研究が中断する不安があるとみる。さらに、大規模調査を継続的に実施して文系に偏りを生む要因を分析し、学生のニーズに合う効果的な政策立案に生かすとしている。
このニュースについて施氏は、「理系女子が少ないのは結婚や出産が大きな理由なのかは疑問に思いますね。高校生の時に理系と文系に分かれる時は、理系にいくからといって必ずしも研究者になるわけではないでしょうし、理系の会社や研究所への就職も考えられる。結婚や出産が影響するというのは文系も同じだと思うので、他の原因を調査していく必要があると思います」と指摘した。
また、東京大学大学院で宇宙物理学を研究する女性の研究者の意見を聞き、施氏は「女性でも理系に強い人はたくさんいますので、数学や物理などに女性が弱いということはまったくないですよね。ただ、原因があるとすれば、今の理系基準や学校での教え方というのが男性中心的な教え方をしているということはあるかもしれません」と教え方に注目。
続けて「10年ぐらい前にNHKスペシャルで『女と男』というシリーズがあり、アメリカの一部の学校では男女別のクラスを改めて作る所があるという内容がありました。男と女の脳の構造には生物学的に違いがあると言い、例えば地図の読み方について、男性は空間感覚を利用して見るのだけど、女性は記憶や目印を手がかりに地図を見るという。同じ活動をする時でも、どこに注目するかが若干違うという話で、ひょっとしたら今の理系の世界は教え方とかが男のほうにバイアスがかかっているのかもしれませんね」と、教え方を要因の一つの可能性として挙げた。
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