アナ歴40年!野村邦丸が様々なエピソードを語る連載企画㊸
【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】
『第43回 四谷のスタジオでロバート・ラムは「サタデー・イン・ザ・パーク」のイントロを…』
生放送のため出かけたオーストラリアは
メルボルンで、何の気なしに入ったカジノ。
「もう帰るから、使ってください」と、
同行ツアーに参加されたリスナーさん
ご夫婦が、かなりの額のチップを
プレゼントしてくださいました。
ひと様のお金だと、人間、大胆になる
もので「スッカラカンになるまで、
バンバンいきましょう!」と、
普段なら絶対に手を出せないような
大胆な賭け方でルーレットを遊び始めた
ところ、そんな時に限って幸運の女神が
微笑んでくれるものなんですね。
賭けた方がビックリするような大当たりの連続。
あっという間に、日本円にして20万くらいの
チップが、目の前に積み上がったんです。
どうしようか、あのご夫婦に返す?
それも何だかねえ…とスタッフ一同話し合い、
出た結論が「とにかく飲んでしまいましょう!」
ドンペリやら高級食材やらをたんと買い込み、
大どんちゃん騒ぎ。
ドンペリを飲んで泥酔したのは…
後にも先にも、その時だけでしたね。
さて、ここまでは私が外国に行ったお話でしたが、
番組に外国からお客様を迎えることも、
珍しくありません。
忘れられないお客様と言えば、
やっぱりシカゴ。
以前からのリスナーさんならご存じかと
思いますが、私はこの半世紀以上、
ロックバンド「シカゴ」の大ファン。
文化放送がコンサートの後援をする
ようになってからは、来日公演の前には必ず
私の番組に顔を出してくださるのが恒例になりました。
最初はまだ四谷時代でしたね。
もちろん超大物バンドですから、演奏をお願いする
ことなんて無理。
正式に依頼したら天文学的なギャラを要求される
のは確実です。
するとプロデューサーのイカ山ゲソ助君が
「キーボードを用意しておいたら、
勝手に弾いてくれるんじゃないですかね?」と提案。
もしかしたらそういうコトもあるかもしれないね、
と用意したんです。
すると、キーボード担当、創立メンバーのロバート・
ラムさんが「何でここにキーボードがあるんだ?」と
ニヤニヤしている。
そこには手回しよく代表曲「サタデー・イン・ザ・パーク」
の歌詞カードまで置いてあったりして。
そしたら打ち合わせの時に「ボク歌います!」って。
同行していた、トランペットのリー・ロックネイン
さんは「サタデーやるのか」って言って、
自分のスタッフに「車から楽器取ってきて」って
指示するんです。
いよいよ番組本番。コーナーが始まって「シカゴの皆さんです!」。
頃合いを見てロバートさんに
「ここにキーボードがありますが、歌いたくありませんか?」
と水を向けると「Sure! キミは何が聞きたいんだい?」
「サタデー・イン・ザ・パークが…」
「じゃキミも一緒に歌って」
「えええええええ!」
演奏が始まります。
何百回聞いたかわからない、あのイントロ。
そしてロバートさんが歌い出す。
私も歌う。
そして間奏。
リーさんのソロ。
一緒に来ていたサックスのウォルター・パラゼイダーさんと、
トロンボーンのジェームズ・パンコウさんもコーラスで加わる。
ファンにとって、こんな至福の時があるでしょうか。
ところが!
それから数年後、もっと凄いサプライズが、私を待ち受けていたのです。
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野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、
日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て
1981年茨城放送入社。
フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、
再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、
そして酒と肴をこよなく愛する。
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