ウクライナ情勢、解決するにはどうすれば良い?佐藤優が解説
2月4日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、元外交官で作家の佐藤優氏が“ウクライナ問題”を解決するにはどうすれば良いか?解説した。
野村邦丸アナ「ロシア、ウクライナ国境、これが非常に緊迫状況にあるという情報がどんどん入ってきてますが、佐藤さんいかがですか?」
佐藤「たしかに情勢は緊迫してますけど、その原因は双方にありますね。ベラルーシにロシア軍を大量に展開するのは、NATOがポーランドに追加的な派兵をするから。そういったことを言ってるアメリカ軍が大規模な派兵をするなら、それに対抗していこうという要素が強いですね」
邦丸「対抗措置ですね」
佐藤氏は、今回の問題のきっかけとなったウクライナの東部のドネツクス州とルガンスク州について解説する。
佐藤「ウクライナが最初に、ロシアが攻めてきて大変だと言ってるんだけれども、実はウクライナの国境に10万人のウクライナ軍を配備してるんですね。問題の根源はドネツクス州とルガンスク州というところ。ここは住んでる人はロシア系の人で親ロ派の武装勢力が実効支配してるわけです。その人たちはウクライナから離れてロシアに行きたいと思ってるんですね。ただ、プーチンは併合するようなことはしてない。ただし、ウクライナはそこに無人飛行機を飛ばしたりしてかなり挑発してるんですよ」
では、ロシアを挑発するウクライナのゼレンスキー大統領はどんな人物かというと…
佐藤「ゼレンスキー大統領というのは、ポピュリストなんです。元々はコメディアンで政治的な経験は全くない人。ナショナリズムに走って、今、ロシアに占領されてる地域はウクライナの支配の元に戻すんだということで、ドローンを飛ばして挑発を始めた」
これに対し、ロシアのプーチン大統領はどう思っているのか?
佐藤「去年の時点で35万人がロシア国籍を取っていますから、その人たちが武器を取って戦うわけです。その人たちを見殺しにしたら、同胞を殺したということでプーチン政権は危うくなるわけです。ですから親ロ派が支配している地域に軍事的な進攻をするならば、対抗措置で自分たちの軍隊を入れるぞ!と脅してるわけです」
もし、ウクライナが進攻してきたらどうなるのか?
佐藤「ウクライナが引き金を引いたら、ロシアはすぐに対抗措置を取ります。ですから、今、客観的にやめさせなきゃいけないのは、ウクライナの動きなんです」
さらに佐藤氏は問題解決にむけてこのように話す。
佐藤「親ロ派武装勢力が実行支配している地域はとりあえず現状のままにするという合意がロシア、ウクライナ、親ロ派武装勢力、フランス、ドイツの間で結ばれてます。この合意に従って現状を維持しておけば今回の緊張は解消されるわけです。今回の混乱を冷静に見ると、ウクライナのゼレンスキー大統領のドタバタ。そこにみんなが振り回されてる感じですよね」
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