『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 カウンセリングで脳をスッキリ再起動。心理カウンセラー・下園壮太さんに、カウンセリングの意義を問う

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 カウンセリングで脳をスッキリ再起動。心理カウンセラー・下園壮太さんに、カウンセリングの意義を問う

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

2021年12月11日の放送は、ゲストに心理カウンセラーの下園壮太先生をお招きしました。記事の内容をもとに、前・後編に分けた記事をお送りします。

後編では、カウンセリングの意義や、カウンセリングの「受け方」について。話を聞いてもらうことの意外な効用について、下園さんにうかがいました。

前編はこちら:40歳から心理カウンセラーに。下園壮太さんに学ぶ、ケアの極意

下園壮太さんプロフィール
心理カウンセラー、メンタルレスキュー協会理事長。
1959年、鹿児島県出身。防衛大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。陸上自衛隊初の心理教官として、多くのカウンセリングを経験後、2015年に定年退官。その後もカウンセリングを続けられる一方で、カウンセラーの育成や執筆活動などを行う。
著書に『自衛隊メンタル教官が教える 50代から心を整える技術』『とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたら良いですか?』ほか多数。

「サポート受けベタ」の大人世代こそ、サポートが必要

大垣 下園さんは『50代から心を整える技術』(朝日新聞出版)という本を2020年に執筆されていますよね。

周囲を見ていても、確かに50代というのは人生の転機だと思います。
退職が迫ってきたり、もしくは退職したり、あとは育児がひと段落ついたりで、人生のペースが大きく変わる時期だな、と。
それで、「50代前後人は、ほぼ全員がなんらかのメンタルサポートを必要とする状態になるのでは」と思ったんです。特に男は。

残間 でも、男の人ってサポートを受けるのは苦手でしょう。「威信が傷つく」とか、「どうやって相談していいか分からない」とかって。

大垣 そうなんですよ。それから、そもそも相談する相手もいないんですよね。奥さんには相談しづらいですし、友人も、同じ会社で働いていると打ち明けづらい。

残間 かといって、自分の近況や仕事の内容を全く知らない人相手だったりすると、これもまた、気持ちをうまく分かってもらえなかったりしますしね。

下園 確かに、カウンセリングを上手に活用できるのは圧倒的に女性なんです。
男性はどうしても、自分のことを表現するのを苦手とされる方が多いんです。それから、吹聴されそうで弱音を吐けないというのもありますし。

メンタル面でサポートが必要になったら、どうする

大垣 男性がメンタル面でのサポートが必要になった時、最初に何をするべきか、どこに行くべきかを下園さんにお聞きしたいです。

下園 親しい人に話すことが難しそうであれば、割り切って、カウンセリングやコーチングに行くことは一つの手だと思います。
私のところでも、月に1度、何もなくてもお話をしにこられる方はいらっしゃいます。

大垣 なるほど。

カウンセリングの意義は、疲れた脳を再起動させること

下園 それから、カウンセラー以外でも誰かに相談してみることは大事だと思います。
相談って、その行為自体が強いパワーを持っているんですよ。

相談といっても、多くの方が思うような「新しい知識や情報を得ること」というのとはちょっと違って。情報だけなら、Googleに勝てる人間はいませんからね(笑)。

人がカウンセリング=相談に何を求めているかというと、脳を「再起動」させるところにあると思います。

人はピンチに陥ると、感情がたくさん出てきます。不安とか、怒りとか、妬みとかですね。そうすると、大脳が冷静なコンピューターではなくなってしまうんです。

ところが、人にお話をするとなると、まず考えを言葉にしながら、ゆっくりお話をしますよね。不安に乗っ取られた大脳による思考ではなくなるんです。

もう一個は、相談した相手が、自分の話を分かってくれると思えること。これは聞いてもらった相手にもよりますが、残間さんのような方ならきっと「聞いてもらえているな」と落ち着きますよね。
落ち着くと安心し、安心すると感情が鎮まり、頭が冷静に働き出す。

こういう一連の流れを、私は「脳の再起動」と呼んでいます。

カウンセリングは、もっと気軽なものであっていい

残間 世代や育ってきた環境によっては、カウンセリングに行くことに強い抵抗感を覚える方もいらっしゃいます。

下園 カウンセリングが「医療」と結びつくことも多いですからね。

ただ、私自身は、カウンセリングってそこまでしゃちほこばったものでなくてもいいと思っていて。
先ほどお話ししたように、私のクライアントさんでも、毎月1度必ず「メンテナンス」のようにお話しをしにこられる方はいるわけですから。

残間 アメリカの女性映画なんかでは、主人公が「カウンセリングに行ってくる」なんて言って、インド人の女の人がお香焚いたりしている場所に行ったりしますよね。

下園 そうです。要は、その方が整理ができれば、なんでもありじゃないかと思うんです。

大垣 そう考えてみると、占いにはカウンセリングのような機能がありますね。イタコを通じて、亡くなった人と交流するとか。

下園 お坊さんのお説教や、欧米なら、神父のお説教もそうですよね。親戚や近所にいる「尊敬できるおじさん・おばさん」とか。

自分の考え方のヒントになりさえすれば、形はなんでもいいと思います。

男性は、ぬいぐるみに悩みを相談するべし!?

大垣 肩肘張らずに、誰かに話すことから始めるのが、最初の一歩ということですね。

下園 そうですね。それは本当に大きいです。ただ、男性の場合は、「打ち明ける練習」をするところから始める必要のある方も多いとは思いますが・・・。

大垣 練習のポイントは。

下園 たとえば、ぬいぐるみに話すとかから始めてもいいと思いますよ。

残間 飼ってる犬とか、猫とかでも。

下園 はい。それから、AIですね。実は僕は、AIのほうがカウンセリングは優秀だと思っているんです。というか、AIを使えるぐらい、人間が優秀というんでしょうか。
たとえば、ロボット犬の「Aibo」っていたじゃないですか。Aiboには本当の犬のような反応や動きはできないけれども、人間はAiboに対して簡単に感情移入ができるわけです。

大垣 なるほど。そう考えてみると、AIのほうが気軽に話しかけられるメリットはありますね。私は打ち明ける練習用に、下園先生の人形がほしいですが・・・(笑)。

残間 AIカウンセラーの「壮太ちゃん」とか。

下園 (笑)。

鈴木 まだまだお話は尽きませんが、お時間になってしまいました。
きょうは自衛隊出身の心理カウンセラーで、メンタルレスキュー協会理事長、下園壮太さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

一同 ありがとうございました。

前編はこちら:40歳から心理カウンセラーに。下園壮太さんに学ぶ、ケアの極意

お知らせ

執筆者の大垣さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。

JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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