『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 40歳から心理カウンセラーに。下園壮太さんに学ぶ、ケアの極意

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 40歳から心理カウンセラーに。下園壮太さんに学ぶ、ケアの極意

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

2021年12月11日の放送は、ゲストに心理カウンセラーの下園壮太先生をお招きしました。記事の内容をもとに、前・後編に分けた記事をお送りします。

前編となる今回は、下園さんのキャリアについて。現在62歳の下園さん。実は、カウンセリングの仕事に携わるようになったのは40歳からなのだとか・・・。

後編はこちら:カウンセリングで脳をスッキリ再起動。心理カウンセラー・下園壮太さんに、カウンセリングの意義を問う

下園壮太さんプロフィール

心理カウンセラー、メンタルレスキュー協会理事長。
1959年、鹿児島県出身。防衛大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。陸上自衛隊初の心理教官として、多くのカウンセリングを経験後、2015年に定年退官。その後もカウンセリングを続けられる一方で、カウンセラーの育成や執筆活動などを行う。
著書に『自衛隊メンタル教官が教える 50代から心を整える技術』『とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたら良いですか?』ほか多数。

死と隣り合わせの任務にあたる方々をサポートする

鈴木 きょうのゲストは、心理カウンセラー・メンタルレスキュー協会理事長の下園壮太さんです。よろしくお願いします。

残間 下園さんは元・自衛隊教官ということで、どんな方がいらっしゃるのだろう・・・と思っていたのですが、とても柔和で穏やかな雰囲気をされているんですね。なんでも信頼してお話しできそうな。
自衛隊に、心理教官というポストがあることを初めて知りました。

下園 30年ほど前に、米軍が持っていた機能を参考に新たに作られた職務なんです。
米軍ではもともと、牧師さんがこの役割を担っていました。なんと、「牧師」という職種が軍の中に組織だって組み込まれているほど重要視されていて。

残間 ベトナム戦争の後、多くの兵士が心に打撃を受けたと聞きます。

下園 はい。戦争や災害派遣などで命をかけて任務にあたったり、ときには同僚を亡くすなどの過酷な経験をされる中で、彼らの心のサポートをする人は必要不可欠だったのです。
一説によると、ベトナム戦争の場合は、戦場で亡くなられた方より、帰ってきて自殺された方のほうが多いともいわれているんです。

40歳からの「キャリアチェンジ」でしたが・・・

下園 日本でも、自衛隊の海外派遣などが始まったことを契機にメンタルケアが導入されることになったのですが、日本では宗教をベースにしたサポートは難しいですよね。そのため、心理学的な知見で支える専門家を育成することになったのです。

大垣 そこで、下園さんが抜擢されたと。・・・ということは、もともと心理学やカウンセリングについて勉強なさっていたわけではなかったんですか。

下園 そうですね。興味はありましたが、特段心理学を勉強していたわけではなくて。その当時私は35歳ぐらいで、実際にケアの仕事に携わるようになったのは40歳ぐらいです。

残間 下園さんに適性があることを見抜かれたんでしょうね、周囲は。

自殺にまつわるケアの専門家を育成するメンタルレスキュー協会

残間 下園さんが理事長を勤めていらっしゃるメンタルレスキュー協会は、「死にたい気持ちを持つクライアントや、悲惨な出来事の直後でショックを受けているクライアントを心理的に支える知識と技術を普及するNPO法人(特定非営利活動法人)」とのことですが・・・。

下園 自殺にまつわるケアは、私のキャリアの中でも特に力と時間を割いてきたケアです。
というのも自衛隊では、毎週のように、全国の隊員のうち誰かが自殺で亡くなられていた時期もあったんです。亡くなられた隊員の周囲の方たちの心のケアを、私たちの部が担ってきました。

大垣 その経験からメンタルレスキュー協会が生まれたんですね。カウンセラーの教育や育成以外にも、実際にクライアントに対してカウンセリングも提供されているとのことで、協会によって救われた方はとても多いでしょうね。

下園 カウンセリングは、サポートによってクライアントの方が元気になってくださることが多いので、そこは励みになりますね。

ストレスには意味がある!? 「原始人理論」とは

残間 下園さん、いただいた名刺にイラストが書いてありますね。これって、何ですか。

下園 原始人とサイです。私の展開している理論が「原始人理論」と言いまして、それをモチーフにしています。

大垣 原始人ですか。

下園 はい。簡単に言えば、ストレスは原始人がサイやクマなどの猛獣に会ったときに身を守るための反応、という考え方です。

たとえば不眠のことを考えてみましょう。不眠は通常「病気」と捉えられていますよね。でも、これが原始時代だったらどうでしょうか。サイに会った日の夜は襲われるかもしれないので、あんまり寝ないほうがいい。

大垣 なるほど、人間は基本的にそういう構造になっていると。

下園 そうです。だから「あなたは原始人モードで対応できているんだよ」と言ってあげると、心が落ち着くと思うんです。
物事をどう捉えるかで、気持ちってだいぶ変わってきますからね。

残間 「困った状況」にも、ちゃんと意味があるんだ、と。

後編では、カウンセリングの効果についてお話しします。

後編はこちら:カウンセリングで脳をスッキリ再起動。心理カウンセラー・下園壮太さんに、カウンセリングの意義を問う

お知らせ

執筆者の大垣さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。

JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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