『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 GDPについて、一番分かりやすく教えてください！

GDP、何がそんなに大事なの？

今年（2021年）7月から9月の実質GDPが、年率に換算して3パーセント減少したそうですね。
今回の放送では、そんなGDPについての質問をいただきました。

GDPが大幅に悪化した、というので大騒ぎしていますね。
専門家の大垣先生に教えていただきたいのですが、
なぜGDPの数字はそんなに重要なのでしょう。
GDPを当てるギャンブルでもどこかでやってるのでしょうか。

狛江市　数学に弱い妻（52歳）

GDPを当てるギャンブルって、あるのかな・・・（笑）。金融機関系の調査会社とかがよく、GDPの予想値を出していますが、当たっても景品はないと思います。

お給料を上げるためには、欠かせない数値？！

GDPは、Gross Domestic Productの略のことですね。日本語では「国内総生産」といいます。簡単に定義すると「みんなの所得と企業の作り出した付加価値、それから政府が使ったお金とを足した数」のことで、それは回り回ってみなさんの所得になります。だから、GDPが増えるということは、みなさんの所得が増えているということになります。

ブータン王国の王様は”Gross Domestic Happiness”、GDHという指標を提案したことで有名です。経済成長より国民の幸福量が大切ということ。素敵な言葉ですね。確かにGDPでブータンをはるかに上回る日本人がはたして幸せかというと疑問です。

所得の額を左右する、大切な指標です

さて、「GDPが増えている」ということは、国全体でみた所得が増えているということ。
そうすると、消費が増えるので、さらに所得が増え、景気が上向き、さらに所得が増え・・・と、ポジティブな循環が起きるわけです。
反対に、GDPが下がり続けるいわゆる「デフレ」の状態になると、この連鎖が逆向けに進みます。所得が減るので消費が減り、景気が下がり、さらに所得が減っていく・・・というわけですね。

簡単に言えば、GDPが上がれば一国全体で見る限り、お給料が上がるはずで、反対に、下がるとお給料も下がる傾向にあるということになります。
特に、下がるほうは結構ありがちです。

ちなみに、最初の東京オリンピックに引き続く高度成長期においては、毎年、GDPが平均で10パーセント程度成長していました。当時どれほど景気が良かったのかが分かりますね。

GDPが増えると、積立NISAやiDeCoで儲けられる？！

最近では積立NISAやiDeCo（個人で積み立てる年金制度）などの制度を利用して、投資信託をされている方も多いと思います。

「投資」と聞くと、デイトレーダーのように、短期的に儲かったり損をしたりするイメージがある方も多いとは思いますが、GDPが上がっている場合、色々な銘柄に分散して投資をしていれば、GDPの成長率程度は儲けが出るものです。

老後の資金を増やすためにも、GDPの成長は欠かせないのです。

というわけで今回は、GDPについて考えてみました。

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