ITエンジニアに朗報 コロナ禍で引く手あまた…転職で賃金アップ傾向
転職による賃金が上昇した人の割合が増えたとのリクルートの発表があった。2月3日のおはよう寺ちゃんでは、この話題について、木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏と、寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
嶋津洋樹氏「優秀な人たちが成長できる環境が整う社会になることが重要」
リクルートが昨日発表した調査によると、2021年10月から12月期に転職した後に賃金が増えた人の比率は前の年の同じ時期に比べて5.1ポイント高い31.5%で、集計を始めた2002年6月期以降で最も高い水準となった。
新型コロナウイルス禍での企業の急速なデジタル対応にともなってIT人材を求める需要の高まりを受けるかたちで、職種別で見るとITエンジニアが前年同期と比べて7.1ポイント上がって36.2%に上昇した。製造や商社の業界にもIT人材を求める動きがある。
「まだこれは局所的な動きですが、経済が全体的に良くなってくると他の職種にもこういう動きが広がってくると想定されるので、景気をよくしていくとこういうステップアップをしながら所得も増えていく……。そういう環境を整えていくことがあらためて重要と思わせるニュースではあります」(嶋津氏)
次に、公務員の離職人数の年間推移の話題へ。
「定年退職や地方公務員への転出以外の理由で職を離れる公務員は年間4000人台で推移し、2020年度は4501人でした。若手の離職率の上昇が顕著となっていて、キャリア官僚と呼ばれる総合職では20代の自己都合退職が2013年度の25人から2019年度には104人と4倍を超えるほど増えました。『もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたい』『長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい』などの回答が多かったようです」(寺島アナ)
これについて嶋津氏は、次のような見解を示した。
「日本では昔から公務員と銀行は人気の職種で、安定した職種として常に人気があるわけですけれども、日本経済にとってそれがよいかというと、実はそうではないわけです。なんせ規制とか管理することが主な仕事になってくるわけですから。そこに優秀な人材を貼り付けておけば、当然日本の創造性って、減っていくわけですよね。だから、日本が技術革新して成長力を高めていくうえでは、こうした優秀な人たちには自己成長できる魅力的な仕事が見つかる、起業するといった社会になっていくことが重要だと思います」(嶋津氏)
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