アナ歴40年!野村邦丸が様々なエピソードを語る連載企画㊱
【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】
『第36回 堀内恒夫・元巨人軍監督に「大変ですね」と同情された邦丸黄門』
2005年にスタートした「くにまるワイド ごぜんさま~」の
名物コーナー「くにまる黄門漫遊記」。
放送作家の「ヘラ」、そして「ヒルトン」
(タレントくずれのような謎の男)の二人を
助さん格さんに見立て、ドンキで誂えた
水戸黄門の衣装を着て、いろ~んな所を回ったものです。
ラジオだから、そんなに格好に凝らなくても
いいようなモノですが、その頃から皆様ご存知の
「ホームページ」というモノがかなり充実して参りまして、
きちんと写真なんかも掲載しなきゃいけないわけです。
行く先々で、ずいぶん笑われましたけどね…。
思い出はそれこそ、山のようにありますが、
中でも忘れられないのが、山梨は甲府市郊外の名湯、
湯村温泉の老舗旅館「柳屋」さんにお邪魔した時のこと。
素晴らしい露天風呂を堪能し、翌朝、黄門と助さん格さんの
扮装でロビーでくつろいでいると…。
読売ジャイアンツのユニフォームを着た人が数人、
やはりロビーへと入ってきたんですね。
野球にまったく明るくないプロデューサーの
イカ山ゲソ助くんは
「我々と同じようなこと考えてる人がいるんですかね。
あの人たち巨人のユニフォームを着てますよ」と、
ちょっとヘンな人扱いをしてましたが、
そのうちのお一人の顔を拝見してビックリ!
山梨県が生んだ大投手、堀内恒夫さんだったんです。
見間違いようがありません。
少年野球教室かなにかで、やはりかつてジャイアンツに
在籍した何人かの元プレーヤーの皆さんと共に、
この柳屋に前泊していらしたんですね。
ジャイアンツのユニフォームを着たホンモノの
堀内さんが、水戸黄門の宴会用衣装を着た
ニセモノの黄門さまに声をかけてくれました。
「なんですか、今日は?」
「いえ、実はラジオ番組のロケなんですが…」と事情を説明すると、
激しくうなずいてくださり「ラジオなのに大変ですね…」と、
我々を元気づけてさえくれたのです!
もう一つ、忘れられないのは、新潟県村上市の名高い
「塩引き鮭」の名店にお邪魔したときのこと。
最盛期のオス鮭を厳選し、内臓を取り除いて塩漬け、
さらに塩抜きして味を馴染ませ、さらに厳冬日本海の寒風に
さらして味を整える逸品、あれは実に美味なモノです。
そこでイカ山くんは「人間に塩をすり込んだらどうなりますかね?」
と持ち前の好奇心を発揮。
子分の助さん格さんの二人に塩をすり込ませて
いただけませんか、と、お店の方に申し出たのです。
そんなバカなこと、名店が許すわけないだろう、
と思いきや、お店の方が大喜びで
「どうぞ、やってみてください」と作業場を
使わせてくださることに…。
さすがに黄門様は被害に遭わなかったものの、
助さん格さんの二人は全裸に剥かれ、
アルミの作業台の上に鮭のように横たえられ
(二人とも最盛期のオスではあります)、
全身を塩で揉まれた上に「寒風にさらさないとね」と、
2階にしばらく放置。
後から感想を聞いたら「意外とあったまりますよ、塩。
美肌になるかもしれないっす」とノンキなことを
申しておりました。
この「漫遊記」、衣装がボロボロになるまで、
スペシャルウィークの度に、
二カ月に一回の割合で、
ずいぶん長く続いたものでした。
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野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、
日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て
1981年茨城放送入社、
フリーを経て1991年文化放送入社。
2017年定年退職、再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、
そして酒と肴をこよなく愛する。
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