6日連続1000人超。コロナ感染者急増の北海道から緊急レポ! ~1月24日 ニュースワイドSAKIDORI!
「保健所の機能はパンク寸前」。北海道医療大学の塚本容子教授が「斉藤一美
ニュースワイドSAKIDORI!」で北海道の現状を報告。
北海道の新型コロナウイルス新規感染者は24日まで6日連続で1000人を超え、
感染が急拡大している。
来月5日に開催が予定されていたさっぽろ雪まつりは2年連続、会場での
開催中止が決まった。
まん延防止等重点措置の適用が決まった北海道の現状はどうなっているのか?
北海道医療大学看護福祉学部の塚本容子教授に聞いた。
さっぽろ雪まつりについて塚本教授は、
「2020年に雪まつりが原因で新型コロナウイルス感染が拡大したことを考えると、
今年も中止になったのは致し方ないこと」。
また、北海道で感染者が急増している要因については、
「これまでの変異株より感染力の強いオミクロン株が流行していることが
最大の要因。実際、デルタ株の4倍から8倍も感染力が上がっている。
この急拡大は北海道に限らず全国的な傾向」と述べた。
北海道の新型コロナ感染者数は昨年12月中旬までは1人という日も。
それがここまで拡大したのはオミクロン株以外に、冬という季節的な要因も
あるのだろうか。塚本教授は、
「そもそもコロナウイルスはインフルエンザウイルスに比べると寒さに弱いと
言われている。新型ではないこれまでのコロナウイルスは、5度から15度が
快適な気温とされている。つまり極寒の北海道はコロナウイルスにとって
決していい環境とは言えない。にもかかわらず、ここまで感染拡大した
オミクロン株の感染力の強さに怖さすら覚えてしまう。しかし前の週からの
感染拡大の率において、北海道は東京や大阪に比べると緩やかな伸びに
なっている。この緩やかさの原因を季節だけに求めるのは無理があるが、
要因のひとつとして考えられるのではないか」と指摘した。
続いて北海道の医療体制について塚本教授は、
「全国的に同じだと思うが、今日も北海道では保育園でのクラスター発生や
保育園の休園といったニュースが流れている。加えて、クラスターまでは
発生していないが、小学校、中学校、高校では学級閉鎖や学年閉鎖が
行われている。ワクチンが普及していなかった頃は、重症化の患者が増えてしまい、
医療が逼迫した。それに対し、今は構造が違ってきて、自分の子どもが保育園や
学校に行けなくなったため、その面倒をみなければならなくなった医療従事者や、
子どもから感染したり、濃厚接触したりしたために出勤できない医療従事者が
増えてきて、徐々に医療の逼迫を招いている状況だ」と述べた。
また、感染者の急増に保健所の対応が追いついていないという現状も。
北海道でもすでに、濃厚接触者の割り出しや連絡を感染者自らが行っている。
塚本教授は、
「これは誰も責められないことだが、いま道外からの修学旅行生の中で
クラスターが発生しそうな事例がある。現実問題として保健所は手一杯のため、
その修学旅行生の中の濃厚接触者を割り出すのにも時間がかかり、PCR検査も
手が回らないような状況で、生徒たちはホテルに留め置かれている」と
現状を説明した。
このような状況の中で、我々にできることは何か。塚本教授は、
「国民の中には『オミクロン株は重症化しないから大丈夫だ』という人もいるが、
ワクチンが接種できていない人、あるいはワクチンを2回接種しても重症化する
可能性が高い高齢者や基礎疾患のある人に対して、自分がコロナをうつして
しまったどうなるのかを想像し、行動してもらいたい。また、今後、感染拡大が
進めば、ほとんどの地域で感染者自らが発症の2日前から接触した人に対し、
濃厚接触者だと知らさなければならなくなる。その時のために、いつどこで
誰と会ったというメモを残しておくことが必要。また、PCR検査が
行われにくくなってきてる現状を踏まえ、家庭で抗原検査キットの準備も
しておくべきだと思う。そして家族が一斉にでは無く順々に発症した場合、家族は
最後の発症から10日間の隔離となるため、かなり長い間、隔離されることになる。
そのため食料品や日用品の備蓄をしておくことをお薦めする」と提案した。
「オミクロン株はすぐ隣に迫っている」という意識をもって、日々、
基本的な対策を続けることが変わらず重要だ。
『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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