「新型コロナウイルスの飲み薬、『モルヌピラビル』の効果は? 」~1月13日ニュースワイドSAKIDORI
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、治療薬として期待されているのが、経口抗ウイルス薬=飲み薬である。「ニュースサキドリ・後半」(午後4時04分~)では、昨年、厚生労働省によって特例承認された、アメリカの製薬大手メルク社の飲み薬「モルヌピラビル」の効果について、既に投与を始めている「みいクリニック代々木」の理事長で医師の宮田俊男さんに現状を聞いた。
クリニックでは、『モルヌピラビル』をいつから確保し始め、今、どのくらい確保できているのか?
―昨年末から確保し、急激に増えてきた年明けから投与を始めている。1クリニック5人分は配分されているので、常に5人分は投与出来るようにしている。(ここまで)1日、10数人検査をして、2、3人位(に投与している)。これから増えることが予想されるので、国から新薬(モルヌピラビル)が(必要な分)配給されるのか、心配はしている」
感染については年明けから物凄く様子が変わったとした上で、やはり30代の若者や少人数で会食している人に感染がみられるとした宮田理事長。投与後についても聞いた。
メルク社の臨床試験では、入院や死亡のリスクを30%低下させる効果が確認されているが、実際に投与してどういった効果があったのか?また、オミクロン株への効果は実際どうなのか?副作用は出ていないのか?
―(特例承認でデータが少ないため)投与した翌日に電話で副作用等の確認をしているが、(投与した)その日のうちに症状が軽くなっているので、臨床医としては手応えを感じている。実際に(陽性患者の)ほとんどがオミクロン株の方なのでうちの(クリニックの)症例では効いていると判断している。頭痛や下痢といった症状が出るようだが、今のところ大きな副作用はみられていない。ただ、万が一妊娠しているといけない(※)ので、若い女性には妊娠の確認を十分にしている。
一方、宮田理事長は「『モルヌピラビル』は小中学生等小児には適用がない。(お子さんへの)ワクチンがまだ普及していないので、これから小中学生が心配だ」と危惧する。現時点では感染した子どもたちへの治療は、まず対処療法を行い、状況が悪くなればすぐ入院させるのだという。今回の感染急拡大では、家庭内での感染も増えている。子どもたちに対する予防や治療も喫緊の課題である。
(※)厚生労働省は、『モルヌピラビル』の特例承認するにあたり、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと」とし、禁じている。動物実験の結果、その成長に発育遅延といった症状が出る可能性が指摘されている。
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