受験シーズン到来! 吉田たかよし医師がアドバイス。入試本番で緊張感に負けないためのメンタル医学
今週末(1月15、16日)、大学入学共通テストがある。
医学部や中学受験がすでに一部で始まっていて、本格的な受験シーズンの到来だ。受験というものは緊張感に負けて実力が発揮できない受験生が多い。リスナー(読者)の皆様も心当たりはあるのではないだろうか?
中には頭が真っ白になって白紙に近い状態で終了する人もいたという。
これは企業のプレゼンテーション等、受験以外にも役立つ話なので聴いて欲しいと吉田たかよし医師が力説した。
大きく深呼吸をしない方が良い?
まず注意してほしいのが、多くの人が緊張したら深呼吸すればいいと思い、息を激しく吸おうとすることだ。初耳の方が多いと思うが、緊張している時に思い切り息を吸うことは医学的にものすごく危険なことなのだ!
これにより「過呼吸」という状態になり、パニックを誘発する場合もある。
特に中学受験から大学受験をする年代の女子に多いので(もちろん男子も)注意して欲しいとのこと。
心を落ちつかせるためには、息を吐くこと
実は緊張した際には、息をゆっくり深く吐くのが効果的だ。人体には息を吐いている時に心を落ち着かせる作用があり、緊張したなと思ったら意識的に息をゆっくり且つ深く吐くようにしてほしい。
この効果をさらに高めるのが、「口すぼめ呼吸」だ。口をすぼめて息を吐くと空気の出口は狭くなり、肺の中の圧力は高くなるので脳に息を吐いていることがしっかり伝わる。口をすぼめた状態で息を吐くと長く時間がかかるので、心を落ち着かせる効果が大きくなる。
息を吐き切ったら普通に息を吸えばいい。
ちなみに、フィギュアスケートの浅田真央さんは、現役時代、世界選手権で演技が始まる前にリンクの上で静止する際、口すぼめ呼吸をしていたことを映像で見た。本人に確認したわけではないが、吉田たかよし医師には、テレビの映像を観て、緊張を抑えるための口すぼめ呼吸に違いないと確信したという。
他にどんなことで緊張を抑えられるのか?
1・2・3・4と数える「カウント法」だ。怒りを抑えるアンガーマネージメントとして用いる人も多いが、入試の緊張を抑える効果もある。試験でパニックになったり、不安感が高まった場合、数を数えている時は意識が数に向いているので、不安感が軽減される。
続いて、ご存じの方が多いと思うが「筋弛緩法」。
肩や腕に思い切り力を入れてわざと緊張感を高め、その後、息を吐きながら筋肉を緩めると、精神的な緊張感が筋肉と連動して反動でいっそう緩む。
では、試験の時に、くちすぼめ呼吸、カウント法、筋弛緩法のうち、どれがいいのか。答えは同時に3つやるのがベスト!
吉田たかよし医師は、この緊張を取るための3つの方法を『トリプルリラックス』と名付けた。
『トリプルリラックス』は、受験生の場合、いつ行うのが効果的なのか?
吉田たかよし医師は、全部を行っても10秒程度しかかからないので試験中でも負担にならないと思うが、試験の直前でも良い。あと、試験の前には「手のひらを揉む」ことも効果的だ。緊張すると手が冷たくなるが、これは血管が収縮して血液循環が悪くなるため。逆に血液循環を良くすると緊張感が和らぐ。ちなみにカイロで温めるより自分で揉んだ方が緊張対策にははるかに効果的。血管の壁から一酸化窒素が放出され、血管が拡張するからだ。
手のひらを揉むタイミングだが、試験の前日の寝る前、試験当日の起床後、試験会場に着席して問題文が配布されてから開始の合図を持っている間に効果があるという。
さらに、足の裏も揉みたいところだが、試験会場ではさすがに難しい。その代わり、足の指を思い切り曲げてジャンケンのグーのようにする。そうすると足の裏を揉んだ時と同じような刺激が加わり、血液循環が良くなる。それが脳に波及して、緊張しないメンタルが高まる。
オミクロン株の到来で不安な毎日を過ごしている受験生の皆さん。
不安を解消する方法も、緊張をほぐす方法も、吉田たかよし医師のアドバイスを実践に移して、ぜひ成功を勝ち取って欲しい。
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