76歳の世界的ダンサー田中泯さんと世界を巡る映画~『名付けようのない踊り』をご紹介
「ニュースワイドSAKIDORI!」で毎週月曜日にお送りしているコーナー、「サキドリ最前線」10日(月)の放送では、吉田愛梨レポーターが、どのジャンルにも属さない世界的ダンサー田中泯(たなかみん)さんの「場踊り」を息がかかるほど間近に感じられる新作映画「名付けようのない踊り」をご紹介したが、なんと田中泯さんご本人に直接インタビューすることができた。
その模様をSAKIDORIでご紹介した。
映画のタイトルである「名付けようのない踊り」は、フランスの哲学者、ロジェ・カイヨワがかつて田中泯さんの踊りを見て評した言葉だ。
こう言われた時の気持ちについて、田中泯さんは「うれしかったですね。とにかく人に固定されないというか、田中泯はこう踊るんだよと言われているような。」と振り返った。
田中泯さんは、1945年生まれ。クラシックバレエとアメリカンモダンダンスを学び、1974年から、その場で即興で踊る独自の踊り「場踊り」を始める。
この「場踊り」について田中さんは、「その場所というのが動機になって、その場所に踊りが生まれた時にどうなるのかという事に興味がある。」と話した。
1985年からは、野良仕事で身体を作り、その身体で踊ると決め、今も山梨の村で農業を続けている。理由について尋ねると、「あっちはあっちの世界というのがある。土とか植物は命だらけ。自然の中にいる。人間というのは自意識が働いたり、時間に縛られていたりする。そういうものから解き放たれている。ひょっとするとそっち側に行っているような事がありますね。」と答えた。
今回の映画を手掛けたのは映画『メゾン・ド・ヒミコ』への出演以来、親交を重ねていたという犬童一心監督だ。
田中さんから犬童監督に「ポルトガルのアートフェスティバルに出演するので、一緒に行きませんか。」と声をかけたところ、犬童監督がカメラマンと同行して短編の映像を作ったのがきっかけになり、各地で場踊りの撮影を重ねて長編映画が完成した。
映画の中では、場踊りの間に、世界的アニメーション作家、山村浩二が手掛けた少年時代の田中泯さんの姿や今現在の野良仕事の様子など、どのようにして今の境地に行き着いたのかを見ることができる。
好きなことを極めて、ぶれない生き方を貫く田中泯さんの姿からは、コロナに翻弄される今、どのよう生きてゆけば良いのか?そのヒントが見えてくる気がした。
あなたも76歳の世界的ダンサー、田中泯と共に心躍る旅に出よう!
映画『名付けようもない踊り』は、1月28日(金)より全国公開となる。
きっと、あなたの心も体も踊りたくなるはずだ。
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