スポーツジャーナリスト宮崎恵理氏「北京では、村岡、新田に期待」 ~1/4 ニュースワイドSAKIDORI
日本スポーツプレス協会所属のスポーツジャーナリスト、宮崎恵理氏が、4日、文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」内『応援!ユニバーサルスポーツ』に電話出演。2ヵ月後に迫った北京パラリンピックに向けて、見どころを語った。
宮崎氏はサキドリにおよそ1年半ぶりの電話出演となった。1998年の長野パラリンピックから本格的にパラスポーツを取材しているベテランのスポーツジャーナリストである。まず斉藤キャスターが「冬のパラリンピックならではの面白さ」を訊くと、宮崎氏は「昨年夏の東京パラリンピックでは22競技もあったが、それに比べると冬のパラリンピックは圧倒的に競技数が少なく6競技!(アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、スノーボード、アイスホッケー、車いすカーリング)そのため、好きな選手や競技をじっくり観戦することができるのが大きな魅力」と話した。
続けて宮崎氏は「(日本代表は)スキー競技がメインになる。アルペンスキーはスピード感が魅力で、クロスカントリースキーは雪原のマラソンとして、体力や駆け引きも見どころ。もう1つ、雪の斜面で戦うスポーツとして、スノーボードが2014年のソチ大会から始まったが、競技方法が面白くなっており、北京大会のスノーボードクロスは、決勝トーナメントで複数の選手が同時スタートする方式になった。オリンピック競技のスタイルと同様、選手同士の接触、ジャンプセクションやコーナーでの追い抜き、追い越しといった手に汗握る展開が楽しみ」と解説した。
その上で、松井アナが宮崎氏に「北京大会での注目選手」を尋ねると、宮崎氏は「いっぱいいるんだけど、絞って、絞って、アルペンスキーの村岡桃佳選手とクロスカントリースキーの新田佳浩選手」を挙げた。斉藤が「王道中の王道ですね!」と反応すると、「おっしゃる通り!皆さんに声を大にしてお伝えしたいお2人ですね」と返した。
まず、村岡桃佳(24)の魅力について、宮崎氏は「前回(2018年)のピョンチャン大会で、金メダルを含む出場した全ての種目でメダルを獲ったスーパーヒロイン。その後、夏の競技にも挑戦し、昨年の東京パラリンピックでは陸上100mで6位入賞を果たし、夏・冬で活躍している選手。その中で、(スキーについては)今季すでにワールドカップで優勝を含め毎回表彰台に上がっており、ピョンチャン大会に続く活躍が期待される」と伝えた。補足すると、村岡は陸上競技では車いすのクラスで、スキーではチェアスキーというそりに乗って滑っていく座位というカテゴリーで戦う。スピード、しなやかさを兼ね備え、その滑りはもはやアートの領域だ。
一方、新田佳浩(41)について、宮崎氏は「私が取材活動を始めたばかりの長野パラリンピックに、彼は(高校生で)初出場して以来、今回で7大会連続出場しているスーパーベテランスキーヤー。2010年バンクーバー(で2冠:ミドルとスプリント)、前回の平昌大会(の10キロクラシカル)で金メダルを獲得。年齢は重ねているが、毎年自身をバージョンアップさせてトップを走り続けている」と、リスペクトしていた。10代から40代まで、宮崎は新田の成長を見守ったことになる。なお、補足すると、新田は左ひじの先を欠損していて、立位のカテゴリーで戦っている。日本が誇るクロスカントリースキーのレジェンドだ。そのスケール感は大きく、常に世界を意識しており、斉藤は将来のスポーツ庁長官と見ている(2018年9月4日放送より)。
松井が若手選手についても尋ねると、宮崎氏は新田と同じ日立ソリューションズに所属する、立位の川除大輝(かわよけ・たいき/20歳)を挙げた。「彼はメキメキと力をつけており、世界大会でもいい順位で、新田選手とも勝ったり、負けたりを繰り返している」と北京大会での活躍に期待を込めた。ベテラン対若手の日本人同士の戦いも見られそうだ。
最後に、斉藤が、宮崎氏が現地取材する北京での制約の多さについて振ると、宮崎氏は「やはり、まだまだコロナの心配があり、北京の組織委員会も東京大会に習って厳格なバブル方式で規制を作っている。ただ、東京オリンピックパラリンピックでも厳しい規制の中で取材したので、その経験が北京でも生かされるのかなと思っている」と意気込んだ。さらに、冬のパラリンピックは各地に会場があり、しかも寒い。それらについて斉藤が心配すると、宮崎氏は「冬のパラリンピックは移動距離が非常に長い。いくつもの競技をハシゴするということがなかなかできない。反対に、1つの競技をじっくり観戦できる楽しみもある。ただ、私は冷え性なもので・・・困ったなと思っている」と言うと、スタジオは温かい雰囲気にいっそう包まれた。
そして宮崎氏は「今回はスキー会場に入り浸り。日本勢は車いすカーリングとアイスホッケーについては(予選で敗れ)出場できないが、パラアイスホッケーは大好きな競技だから、決勝戦は見に行こうかな」と楽しみにしていた。今回も終始、穏やかな口調で丁寧に競技や選手の魅力を発信してくれた宮崎氏に、新田をはじめ、どのアスリートも、なぜ信頼を置くのか。今回の放送でその理由を垣間見ることができた。
(構成・後藤)
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