「今週末に新型コロナ感染者数が大幅に増えてもおかしくない」と和田耕治教授~ニュースワイドSAKIDORI
国内では1月4日、新型コロナウイルスの感染者が1268人確認された。
1日あたりの感染者が1000人を超えるのは
去年10月6日以来、」およそ3ヶ月ぶりだ。
前の週の火曜日からは800人以上の増加となり、全国で感染が拡がりつつある。
新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株の国内感染者は、
これまでに30の都道府県で確認されたことが昨日の各自治体の発表で分かった。
このうち山形県や千葉県、京都府など、少なくとも19の都府県では
市中感染が疑われる例が出ている。
公衆衛生学の専門家、国際医療福祉大学の和田耕治教授が解説した。
年明けの新型コロナウイルス感染者の急増に対して、和田氏は
第6波が始まったのだろうと考えているとした上で、
「お正月があったため、受診が出来ない、検査が出来ない状況に陥ってしまった。
そのため、今週後半から来週にかけてのデータをしっかり分析していかなければいけない。病院は昨日くらいから通常の診察が始まり、これから検査数が増えていくので、
今週後半には大きな数字が出てもおかしくない状況だ。
特に今日623人の感染者数が確認された沖縄県は、
これから非常に厳しい数字が出てくると思われる。
沖縄県でこれほどまでに感染が拡がったのは、断定は出来ないものの
おそらくオミクロン株がアメリカ軍基地内から市中へ漏れ、
年末年始で人と会う機会が増えたために感染が拡大したものと思われる。
これは沖縄に限ったことではなく、
大都市や地方の都市でも起こりうることだと意識して欲しい」
続いてオミクロン株の感染が30の都道府県、その中で19の都府県では
市中感染が確認されたことについて、和田氏は
「今の段階で一番大事なことは、ワクチンを2回接種したとしても、
発熱や咳と言ったカゼのような症状がある場合は
検査を受けて他人と会うことを止めることだ。
これをひとりひとりが守れば、オミクロン株感染を止めることが出来る」と説明した。
ここで斉藤キャスターが
「今の感染状況はオミクロン株に置き換わっているのではなく、
主にデルタ株によるものと考えるべきか?」と質問したところ、和田氏は
「これは地域差があると思う。
関東においては今のところデルタ株の方が優位だと見られるが、
今後2週間から3週間経つと、徐々に感染力の強い
オミクロン株が主流になってくることが想定できる。
とは言え、世界でデルタ株がいなくなりオミクロン株だけになるかどうかは
しばらく時間が経たないと分からないと思う」と答え、それに続けて
オミクロン株の重症化率については
「海外からのデータがだいぶ揃ってきたので、いろんなことが分かってきた。
それによると、肺炎を起こすリスクが非常に高かったデルタ株に比べると、
オミクロン株は低い。
それは全く重症化しないと言うことではなく、
オミクロン株の感染者が増えれば一定の数の重症者が出るということだ。
つまり楽観視することは禁物だ」と答えた。
つづけて斉藤キャスターが
「デルタ株は肺で増殖し、オミクロン株は上気道で増殖すると聞いているが、
これに間違いはないか?」と質問。
これに対し和田氏は
「その通りで、上気道での症状として喉の痛み、咳、発熱、倦怠感が特徴だ。
重症化の要因である肺炎なりにくいことを考えると朗報と言えよう」とした上で、
「岸田総理が年頭記者会見で、オミクロン株対策について
『水際対策の骨格は維持しつつも、重点を国内対策に移す準備を始める』と明言した。
オミクロン株は、今でも検疫での感染確認者数がかなり多い状況が続いており、
世界中でも流行している。
とは言え水際対策だけ進めていればいいわけではなく、
国内での蔓延を想定した対策として、
医療のリソースを国内対策に振り分ける状況になっている」と答えた。
「オミクロン株対策の重点を国内対策に移した場合、
どういった対策が必要になるか?」との質問に対して、和田氏は
「蔓延を前提とした対策が必要だ。
感染者数が増えれば、おそらく自宅療養を余儀なくされる人が多くなるはずで、
そういう人たちをどのようにケアしていくかなど
地域の医療体制をどうしていくのかを考えなければならない」と答え、
「今はとにかく自分を守るという意味も込めて、人と会う機会、
人と食事をする機会を減らしていくことが必要となっている。
そしてオミクロン株は非常に感染しやすいので、
今までは大丈夫だった人でも感染する可能性が高くなっている。
症状が出た場合、外に出られなくなるので、
食料品や水などのストックを準備しておくことも必要だ」と警鐘を鳴らした。
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