アナ歴40年!邦丸連載企画㉚吹雪の北海道の次は、桜島大噴火の鹿児島!買い出し隊の受難は続く…
【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】
『第30回 吹雪の北海道の次は、桜島大噴火の鹿児島!買い出し隊の受難は続く…』
真冬の北海道、稚内からなんとか生還した
「気分はZUNZUN」中年買い出し隊。
あまりの体験に懲りたディレクター、
今度は「吹雪の心配がない鹿児島に行きましょう!」と言い出しました。
わかりやすいでしょう?
まあ、経費削減が声高に叫ばれる昨今と違って、
まだまだ余裕があったんでしょうね。
稚内と同じチームの3人が次は鹿児島へと飛ぶことになったんです。
言い出しっぺのディレクター、イカ山ゲソ助君は多忙なため、
遅れてくることになっていました。
そこで、先に着いた私と作家のK君は、先に鹿児島市内に向かったのですが…。
空港からタクシーで外に出ると、昼間なのに真っ暗なんです。
そう、桜島が、かなり激しく噴火していた!
運転手さんに「大丈夫ですかね」と尋ねると、
向こうは慣れたもので「大丈夫だろうけど、積もるよ。目に気を付けて、
なるべく覆うようにしてね」とあっさり。
火山灰は2ミリ以下の微粒子なので、目に入ると厄介なんだそうです。
吹雪の次は桜島か…!
待ち合わせ場所の西鹿児島駅で、ようやくイカ山ディレクターが到着、
電話がかかってきました。
「今どこ?」聞くと50mくらい離れてる場所なので
「タクシーで待ってるから」と説明します。
ところがイカ山君、なかなか現れない。
大規模噴火で、火山灰の量がすさまじく、
目を開けていられないんですね。しばらくすると、数十メートル彼方に、座頭市のように歩いている姿が見えてきました。
ところが、窓を開けられないので、大声で呼んでも聞こえません。
ようやく近くまで来ると、隣のタクシーのドアを開けようとして拒絶され
「なんで入れてくれないんですか!」と怒ってる。
作家のK君がさっと飛び降りて、イカ山君をなんとか車に引き込みます。
開口一番、
「あなた達、冷たいじゃないですか!」
冷たくないんです、窓が開けられないから仕方ない。
こっちは激しく大声で呼んでたんですけどね。
稚内では雪、鹿児島では火山灰…すごい番組でした。
鹿児島では、確か豚の味噌漬けとか買い入れてプレゼントした記憶があります。
自慢じゃないけど、レポーターが実際に現場に行くと、
やっぱり数字にも反映されましたね。
他局も、我々の番組をきっかけに、地方に目を向けるようになったんです。
何より、夕方はやってて楽しかった。
3時半ごろ出社すればOKで、4時からオンエア、
6時過ぎには四谷の繁華街、しんみち通りに消えていく…夢のような時間でした。
しかしそれは、2年半という短い栄華でしかなかったのです。
ある日編成担当のIさんに「神楽坂のベリーダンスレストランに行こう」と誘われ、
飲んで食って、それは楽しかったんですけど、帰り道で一言「今度の改編で午前帯に移動だから」と。
番組は8時半スタート、ということは逆算すると…
朝の4時半には起きないと間に合わない…。
朝7時前の番組だと迎えのタクシーが来るんですが、それもない…。
「嫌です、カンベンしてください」
「お前、何様だと思ってんだ! 嫌も応もない!」
そして2002年10月から「野村邦丸のごきげん!二重丸◎」がスタート。
そこから現在まで20年近く続く、私の早朝起床が始まったのです。
【1月中旬以降に連載続きます!お楽しみに!】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て1981年茨城放送入社、
フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、そして酒と肴をこよなく愛する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
野村邦丸がパーソナリティを務める
「くにまるジャパン 極」は
スマホやPCでもお聴きいただけます👇
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
過去の記事はこちら👇
【野村邦丸 ワタシの履歴書~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】
『第2回 局の玄関にコタツ、トン汁食べながら生放送で県警から大目玉』
『第4回 主夫として生きるつもりが「いつまでそんなことやってんだ!」と一喝されて…』
『第5回 控室で爆睡、本番でスポーツのスの字も聞かれなかった入社試験に合格で「ビックリ仰天」』
『第7回 無事野球中継デビュー、連日奮闘もバラエティへの憧れが抑えきれず…』
『第8回 「今までにないニュース番組を作る」確かにタイトルは今までになかったが…』
『第10回 もう家業はダメかもしれん。でも従業員は全員生きとった。これだけや…』
『第11回 阪神淡路から戻った夜「ワンカップの味がしない…」』
『第13回 超高級スナックの勘定書に顔面蒼白となった若きエース』
『第14回 「ノ…ノムダクニマドゥでふ…」酩酊状態で放送開始!』
『第15回 お前と野球中継するつもりはない。面白い中継をする』
『第16回 本人の知らないところで誕生していた…我がラジオネーム「邦丸」』
『第17回 無謀なワタシを本気で叱ってくれた、後の愛妻ミッちゃん』
『第18回 お待たせしました。七五三のなれの果ての入場です!』
『第24回 小倉智昭さん、六本木のど真ん中でブルズの真っ赤な革ジャンですよ。少しはわきまえて欲しいですよね…』
『第25回 吉田照美の「期待ゼロ」宣言に応えてしまった「ZUNZUN」第一回』