生乳5000トン廃棄問題…岸田総理も「異例」消費呼びかけの背景とは? ~12月27日「おはよう寺ちゃん」
12月27日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、寺島尚正アナウンサーと、月曜コメンテーターの経済評論家・上念司氏が、大量廃棄が懸念される「生乳」問題について語り合う場面があった。
大量廃棄を避けるために「輸出」はどうか?
岸田文雄総理が12月21日の会見で、牛乳や乳製品を積極消費するよう、異例の呼びかけを行った。原料となる生乳の供給過剰により、年末年始に大量廃棄される懸念が出ているためだ。
なぜ生乳は供給過剰なのか。これには、いくつかの理由がある。コロナ禍で飲食店向けなどの需要が落ち込んでいること。冬休みに入り、生乳の消費量の1割を占める学校給食の需要がない時期であること。牛は搾乳できるまで2、3年かかることから、簡単に減らすことが難しいこと。さらに、この夏は比較的に涼しく、乳牛にとって生育環境がよかったことも重なり、生産量が増えたこと。こうしたことが背景にあり、業界団体のJミルクの10月時点での推計では、約5000トンの生乳が余ってしまう可能性があるという。
5000トンという数字について、上念氏は「飲んだらお腹壊しそうな量ですよね。チーズにできないのか、という話もあるみたいですが、チーズ工場の処理能力が限界に達していて、また、加工品も在庫が積み上がっていてこれ以上貯蔵もできないらしいです。食べるしかない、飲むしかないという感じですね」と現状を整理。
また、「生乳の大量廃棄を避けるには、どうしたらいいでしょう」と寺島アナが質問すると、上念氏は、日本の乳業業界の在り方も踏まえて、次のような意見を述べた。
「簡単ですよ、輸出すればいいんです。でも輸出すると、補助金にまみれているものもけっこう大きいので、コストが合わないんでしょう。普段から(日本が)乳製品で国際競争を戦っていれば、牛乳が足らない国やチーズを食べたい国に対して、お安い価格でどうですかと(輸出することが)できるのですが、そうなっていないのが残念ですね」(上念氏)
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