赤字国債2年連続30兆円超えも「国民の財布にあまり入ってない!」 ~12月23日「おはよう寺ちゃん」
12月23日のおはよう寺ちゃん(文化放送)では、日経新聞の「赤字国債30兆円超」と題された記事が取り上げられ、寺島尚正アナウンサーと、木曜コメンテーターで京都大学教授の藤井聡氏が議論を繰り広げた。
藤井聡氏「本来は6兆円の赤字国債」
政府は2022年度予算案の一般会計総額を107.6兆円程度とする方向で最終調整に入った。
これは、21年度の当初予算より1兆円程度増えており、10年連続で過去最大の更新となる。新規国債発行額は36.9兆円で、うち30.6兆円は赤字国債で賄われる。赤字国債が30兆円を超えるのは2年連続。その他、新型コロナウイルス対応の過去の国債発行の積み上げで、国債の償還・利払いにかかる国債費が24.3兆円となる。
藤井氏はこれについて、「『too small too little』(小さすぎ・少なすぎ)ですね」と指摘した。
「借金の金利や返済のためのお金は、通常は多くの国で一般会計に計上しません。ですから、30兆円が赤字国債で24兆円が利払い費ってことは、本来は6兆円の赤字国債ってことですよね。普通の国だったら『赤字国債は6兆円ですよ』と言っている話。で、赤字国債6兆円は少なすぎですね」(藤井氏)
「使うお金が少ない、ってことですよね。経済がうまく回転していれば、政府が動くことはないけれど、経済が二十数年デフレで来ている中で、今政府がお金を使わなきゃいけない時期ですものね」と話す寺島アナ。
また、藤井氏は、償還・利払い費を一般会計に含めるべきでない理由も解説。
「24兆円を政府が払っているように見えますけど、それは日銀にいっているだけなんですよ。返還だとかで。だから、日銀の当座預金へ振り込まれているだけで、市中に流れていないんですよ。(赤字国債から利払い費を差し引いた)6兆円は、コロナ対策や公務員のお金、公共事業とかになっているのでお金は配られています。でも、(利払い費の)24兆円はたんに銀行の中で、右から左へ行っているだけ。A銀行からB銀行へ行っているだけ。国民の財布には、入っていないんですよ。だから通常は、この24兆円は考えちゃダメなんですよ」(藤井氏)
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