「岸田総理は柔軟なのか?ぶれているのか?」…伊藤惇夫「池田勇人を思い出す」~12月16日「くにまるジャパン極」
伊藤惇夫「18歳以下の10万円給付の件、結局、現金10万円一括でも5万円2回でも、現金とクーポンの併用でもどれでもいいよという話になった。普通なら政権が迷走してると非難の大合唱となる。それが今のところ岸田政権の批判は激しく起きてないんですね」
12月16日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、政治アナリストの伊藤惇夫氏が方針転換しても批判が起きない岸田総理の不思議さについて話した。
伊藤「これは、岸田総理のキャラクターに起因してる気がします。とにかくこの人、問題点を指摘されたり批判が高まるととっさに方針転換しちゃう。10万円給付に関しても理由を聞かれると、“様々な意見を受け止めた結果であります”と答えていた。もう1つ言うと、すぐ謝っちゃうんです。国交省の改ざんについても発覚したその日のうちにすぐ事実を認めちゃう。石原伸晃氏の内閣官房参与にしても“混乱を招いたことは申し訳ない”と言って素直に謝罪しちゃう。こうなってくると、野党も攻めづらい」
政策面についても触れる。
伊藤「政策面を検証してみると、ぶれまくっている。何か言いだしてそれが問題がある、実現不可能だと思う政策はすぐに引っ込めちゃう。総裁選から言い出した”金融所得課税の強化“。財界中心に反対論が出たらすぐに引っ込める。”健康危機管理庁の創設“も今や全く出てこない。普通の政治家、総理だったらぶれまくってるじゃないかと批判が出るけど不思議なことに誰もそれを責めない。それどころか”岸田さんって柔軟だね“という人もけっこういる」
この岸田氏の姿勢を見て伊藤氏が思い出すのが、池田勇人氏だという。
伊藤「池田勇人氏は岸田氏が率いている宏池会を最初に作った人。岸田氏の恩師の恩師の恩師くらいになるわけです。彼は元々、大酒飲みで短気で自信家だった。ところが、岸信介氏の後を継いで、総理になった時に掲げたのが低姿勢、寛容と忍耐。何を言われてもこれを守った」
池田氏と岸田氏、総理になった際に置かれた環境も似ているという。
伊藤「池田氏の前の岸氏はどちらかというと高姿勢。強権的というか、世論の反対を押さえて日米安保条約の改訂をやった。安倍・菅政権も岸政権に似ている。安倍晋三氏は安保法制を強引に通してみたり、菅義偉氏はぶれたことを嫌った。一度始めたことは問題が起きても、批判が出てもとにかくやり通す。そこへ岸田政権が登場して、政策面で方針転換しても柔軟な姿勢に見えちゃう。安倍・菅政権の後に続いたのも岸田氏の運の良さかもしれません」
ただし、柔軟性についてこんな指摘もする。
伊藤「今は通用するけど、これからもこういう状況が続くと、柔軟だからという見方が”何迷走してるんだ!何ぶれてんだよ!”という風にいつ変わるかわからない。そういうことは我々はしっかりチェックしていかなければいけないと思います」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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