過去最高2.6京円に拡大の「世界の債務」…債務膨張は悪いこと? ~12月16日「おはよう寺ちゃん」
世界の債務残高が計226兆ドル(約2京6000兆円)に――。12月16日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこの話題を取り上げられ、寺島尚正アナウンサーと、木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏が議論を交わした。
嶋津洋樹氏「借金だけが悪い、はちょっと違う」
IMF(国際通貨基金)の集計によれば、世界の政府・企業・家計を合わせた債務残高が過去最高の計226兆ドル(日本円で約2京6000兆円)に達した。
新型コロナウイルスの感染拡大による、急激な景気悪化を受けて各国が実施した財政支援などの債務が膨張の要因になっている。
その半分以上を政府部門が占めていて、GDP(国内総生産)比は99%。とくに、先進国での財政悪化が目立ったとのことだ。
これに関して嶋津氏は、次のように指摘する。
「いたしかたない部分はあるわけですよね。債務が増えると、金利上昇に対して脆弱になるので、あんまり増えるとよくないですよね、ということ。金利が上昇する時とは、景気がよくてインフレになっている時で、借入の金額に対して所得は年々上がっていくんですよね。借り入れた時の金額は固定されるので。(中略)借金だけが悪いみたいなのは、ちょっと違うなって感じですよね」(嶋津氏)
借金の額だけでなくインフレとの関係性を踏まえて考えることを主張したうえで、こう続けた。
「いったん景気が悪くなって、人が職場を離れると戻るのは大変です。(同じく)供給網もいったん壊れると、戻すのは大変なわけですよ。(それらと同様に)いったん景気が悪くなることによる負の影響は、戻すのが大変という意味で、大きい。その時に、政府が役割を果たすということ(が必要)ですよね」(嶋津氏)
そして、債務膨張による影響について嶋津氏は、「金利上昇への脆弱さを気にしなければなりませんが、借入れだけが悪いということではなくて、上手く使うと効果的なんですよ。我々が、住宅ローンとかクレジットカードといった割賦販売を使うのと一緒で。借りるのが悪い、みたいな話は、ほかの意図があって報道されているんじゃないかと見てしまいますね」とコメントした。
また、「私たちは家計と政府の役割を一緒にしてしまうところがありますよね」とは寺島アナ。
「わかりやすいし似ているところもあるんですけど、最大の違いは、私たちには寿命があるけれど国家には基本寿命がないことですね。(中略)永遠に続くのであれば、借金の金額はそれほど重要ではない。日々の回るお金のほうが、重要になっていくので」(島津氏)
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