アナ歴40年!邦丸連載企画㉔六本木を真っ赤な革ジャンで歩く小倉智昭さんに放送で愚痴を言ったら…

アナ歴40年!邦丸連載企画㉔六本木を真っ赤な革ジャンで歩く小倉智昭さんに放送で愚痴を言ったら…

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【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】

『第24回 小倉智昭さん、六本木のど真ん中でブルズの真っ赤な革ジャンですよ。少しはわきまえて欲しいですよね…』

1997年の4月から2年間、私は「にちよう道楽王」と並行して、
小倉智昭さんの「夕焼けアタックル」の金曜日を担当するようになっていました。

小倉さん、どんどん忙しくなってた頃ですから、ある日、金曜日以外でも
「アタックル」をどうしても休まなきゃいけない、ということになって、
プロデューサーから「邦丸、お前ピンチヒッターな」って言われて「かしこまりました」。

それはいいんだけど「勇気を振り絞って、小倉さんの悪口を放送で言ってみろ」ってプロデューサーが言うんです。
「お前のアナウンサー人生を台無しにしない程度でいいから」って。
やたら煽るんですよ。
まあプロデューサーがそう言うんだから仕方ない。

何を言おうかな、といろいろ考えて…。
その頃NBAのシカゴ・ブルズがブームだったんですけど、
小倉さん、どこに行くにもブルズの赤い革ジャンを着てたんです。

六本木に連れてってもらったときも、その革ジャン姿で。
俺的には、内心、有名芸能人がブルズの赤革ジャンはねえだろう、それはどうなの?
って感じてたんで、これくらいならいいか…って考えました。

そして本番スタート。
さあ行こうぜ!今日はピンチヒッターで私、野村邦丸がお相手します。

…さて、小倉智昭といえば、皆さんもよくご存じの有名芸能人。
有名芸能人ともなればですよ、プライベートでは酒場に行っても、
できるだけ目立たないようにするのが普通ですよね。

ところが、我が小倉智昭はですよ。
六本木のど真ん中、ロアビル裏で、真っ赤なシカゴ・ブルズの革ジャン姿で闊歩してるわけです。

これってどーゆーこと?
もう少しわきまえた方がいいんじゃないかな、と思うんです…と、
しゃべり始めたら、普段から思ってることなので、口が滑る滑る…。

ところが、何か、妙なんです。
当時生放送をやっていた四谷の「Jスタ」には、建物の構造上、
真ん中に柱が一本あって、相方の永野景子さんがやたら、チラチラとその柱の方を眺めている。

何やってんだろうと思ったら、その瞬間、スタジオにある柱の裏側から
「悪かったな! 派手なジャンパーで…」とニタニタしながら現れたんですよ、
小倉さんが。ドッキリ企画だったんです。

人間、ホントに驚くと体にいろんな反応が起きるんですね。
その時、私の体中に痛みが走りました。

本当に生きた心地がしなかった、だってその後、
ずーっと小倉さんが私の横に座ってたんですから。

針のムシロというか、怖さの質が違いましたね…。
ところが後日、小倉夫人にお目にかかった時「邦丸さん、ありがとうございます」っておっしゃるんです。
「小倉のブルズのジャンパー、私も派手だなって、ずっと思ってたんですよ。
移動中ならまだしも、六本木で着るなんて、ザ・芸能人ですよね。よくぞ言ってくれました」

私は悪夢がよみがえって「大変失礼しました」としか言えませんでしたけどね。
その後、小倉さんご自身も「そうなんだよ。女房に邦丸さんの言う通りだって言われちゃって…」とおっしゃってましたが。
いずれにしても、それ以降、小倉さんがあのブルズを着ているのを見ることはありませんでした。

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野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て1981年茨城放送入社、
フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、そして酒と肴をこよなく愛する。
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【野村邦丸 ワタシの履歴書~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】

『第1回 必修単位を落としてもアナウンサーになれる!?』

『第2回 局の玄関にコタツ、トン汁食べながら生放送で県警から大目玉』

『第3回「完璧にパクった」NHK松平アナに仁義を切った話』

『第4回 主夫として生きるつもりが「いつまでそんなことやってんだ!」と一喝されて…』

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