新型コロナのオミクロン株～ 吉田たかよし医師がアフリカの友人の医師に取材した最新リポート！！

ベータ株もオミクロン株もどうして南アフリカ共和国（以下、南ア）で見つかったのか？

吉田たかよし医師の友人は、ベータ株もオミクロン株も確認されたのは南アフリカ共和国だが、もっと広くアフリカ大陸の南部で生まれた変異株が南アで発見された可能性が高いのではないかと語ったという。日本から見れば南アは途上国に映るかもしれないが、いわゆる「BRICs」（2000年代以降に著しい経済発展を遂げた4ヶ国）の一角を占める南アは、アフリカ大陸南部の貧しい国々からすれば圧倒的な先進国であり経済大国である。隣国だが、まだまだ貧しいジンバブエやナミビアで変異株が発生したとしても、遺伝子配列の変化を調べる検査まで行うこと自体が滅多にないから発見される可能性は低いだろう。
現在は、南ア中心に関税同盟を結んでいる国が増え、人の交流が多いため、アフリカ大陸の南の諸国で変異株が出た場合、南アで最初に確認されるのは必然と言える。

さらにアフリカ南部の国は変異株が生まれる条件が残念なことに揃っている。
この地域の医療上の最大の脅威は今でもHIVだ。医療が進歩した現在は、抗ウイルス薬で治療することで命を落とさずに済む病気となったが、それも先進国における話。ジンバブエやナミビアなどでは一部の富裕層を除き、満足な治療を受けられないまま亡くなっているのが現状だ。
それに加えて衛生状態そのものが悪く、今もコレラが大流行しマラリアでも大勢の人が亡くなっているのがアフリカ大陸南部の状況だ。

アフリカ南部の国の人たちは新型コロナウイルスを恐れない？

まさにそのような状況だ。検査が進んでいないため数として出てこいないだけで、実際には相当の数の人たちが新型コロナウイルスに感染しているのは間違いない。そもそも一部の富裕層を除いて大多数を占める貧しい生活を強いられている国民は先進国より平均寿命が短い。国全体の人口ピラミッドで言えば若い世代が人口のほとんどを占める。このため、若年層が重症化しにくい新型コロナによって、人々がどんどん死ぬということが起きてない。
正確に言えば多少は起きているのかもしれないが、他の病気の方がより深刻なため話題にもならないのだと言う。実質的には一般国民にとって新型コロナは普通の風邪と変わらない感覚だというのだ。去年7月、ジンバブエでは政府がマスクの着用を義務付けたが、大半の国民が従わず、市民10万人が警察に逮捕された。手洗いの徹底も政府が呼び掛けているが、そもそも地方に行くと飲む水も満足に手に入らないので、頻繁に水で手を洗うということ自体がほとんど不可能だ。
アフリカ南部の情報は、一部の支配者階級や富裕層から我々に届く。例えばナミビアは鉱物資源が豊かでアフリカでは比較的平均所得が高いことになっているが、資源の利権を得ている富裕層が猛烈に高い収入を得ていて平均をあげているだけで一般庶民の月給はものすごく低い。貧富の差は世界一だという。そのようなナミビアで新型コロナの予防法が徹底されるはずがない。

つまりアフリカ大陸の南部で、変異株は発生しやすいのか？

感染者の数に比例して変異株が生まれるから、若者が風邪程度の感染を起こしている間に変異株が生まれる。アジアや南米も含め変異株の製造工場となってしまっている。この状況は今後も変わらず、次々と変異株が出るだろうというのが吉田たかよし医師の友人の医師の予測だという。つまり吉田たかよ
し医師もその友人も主張することは以下のことだ。
貧しいアフリカの人が可哀そうだからワクチンを供給するという考えは的外れ。先進国への蔓延を防ぐため、無料でワクチンの供給を行うとともにプラス食料援助などプラスアルファの援助を行うことも検討しないと、世界レベルでの新型コロナの克服はできない。
日本語には次のようなことわざがある。「情けは人の為ならず」

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