運不運に左右される日本のヤングケアラー、左右されないイギリスのヤングケアラーー11月30日大竹まことゴールデンラジオー

運不運に左右される日本のヤングケアラー、左右されないイギリスのヤングケアラーー11月30日大竹まことゴールデンラジオー

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11月30日大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)に「こども介護者 ヤングケアラーの現実と社会の壁」(角川新書)を発売中のヤングケアラー研究の第一人者、大阪歯科大学医療保健学部の濱島淑惠准教授が出演し、手伝いの範疇を超えた家族の介護や、兄弟の世話をしている子供、ヤングケアラーの実情を紹介し、イギリスと日本におけるヤングケアラーの支援制度の違いを説明した。

濱島氏は、ヤングケアラーと一言で言っても、認知症の祖父母の介護、精神疾患の母親の世話、アルコール依存の父親の愚痴を聞く、障害のある兄弟の世話、外国人の親の通訳など内容は多岐にわたり、それによって学校に行きにくくなったり、家でも勉強する時間が取れず、成績の悪化などにつながっていると述べた。

また、国が学校で行った調査によると、中学生で6%、高校生で4%がヤングケアラーとなっている実態が明らかになり、計算上クラスに一人や二人いることになるが、学校に来れていないヤングケアラーはデータに入っておらず、実際は何万人の規模でヤングケアラーが存在するという濱島氏。

パーソナリティの大竹まことが著書を引用し、「イギリスではヤングケアラーの支援制度が整っているとか?」と水を向けると、濱島氏は「イギリスは自治体が子供の状況を分析し、支援する民間団体とつなげる仕組みが整っており、運不運に左右されることがないのに対し、日本はたまたま気づいてもらえた子供が支援してもらえる、運不運に左右される仕組みとなっている」と厳しい現状を説明。また、イギリスでは「レスパイトサービス」という、ケアから一時的に解放され、テーマパークに行ったり、カヌーをしたり、工作クラブに参加したりできるプログラムが用意されており、日本でも自治体によっては支援活動が始まっていて、これからに期待したいと語った。

さらに調査では、ケアをしていることを他人に話したことがある、と答えたのはヤングケアラーの半数で、多くのケアラーが自分で何とかしようとしていることが判明。だれかに相談した際に親を責められたり、先生や友達が離れていったりと嫌な思いをした経験から話さないようになっているという一面もあり、ケアラーであることを隠そうとする子どもも存在すると明かすと、パートナーのはるな愛は、「支援に結びつくまでの手続きも子どもには難しそうですよね。親の面倒は子どもがみるという考えから変えていかないといけないですね。」と懸念した。

大竹が「日本は相談窓口を設置したとは言っているけど、たくさんお金を使いたくないわけでしょ。自己責任とか言って、窓口が範囲の広い相談を受け入れてくれないんじゃないか」と不安がると、濱島氏は「ヤングケアラーの問題に早めに着目すると、ネグレクト、高齢者虐待、不登校、ひきこもり、非行など、様々な問題を防げる可能性がある。投資価値はあると思う」と主張。「変な判断をしているから自分でケアをしているんでしょ、と言う方もいるかもしれない。でも彼らは他に選択肢が無かった。自分のことは差し置いて家族のためにケアしていて、自己責任とは言えない。コロナの影響も強く出ている。自治体は既存の制度の拡充ではなく、新たな支援を考えてほしい」と訴えていた。

 

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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