金恵京「韓国の大統領選挙、2人の候補を韓国国内はどう見ているのか?」~11月26日「くにまるジャパン極」
来年3月に行われる韓国大統領選挙に向けて、与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事と最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長の対決が本格化している。国際法学者の金恵京(キム・ヘギョン)さんは11月26日の「くにまるジャパン極」(文化放送)にリモートで出演し、2人の候補についての政策の違いなどについて解説した。
野村邦丸アナ「大統領選挙の結果によって対日外交も大きく変わると言われています。与党の李在明さんは『日本は歴史をもうちょっと見直して反省すべきだ』と。一方の野党の尹錫悦さんは『とにかく話し合いを色々して、韓国から見ても日本の外交、重要なパートナーとして政策を進めて行きたい』と、見事に分かれていますが?」
金「特に李在明氏は、日韓関係についてはやや過激な発言が目立っています。ただ、1988年に小渕恵三総理と金大中(キム・デジュン)大統領が未来志向の宣言をしているんですけど、この宣言を踏襲すると言っているので、日韓両国がかつての意識に立ち返ることが出来ればいいなと私は思っているんです。ただ、お互いの譲歩が必要ですので、結構難しいところではありますが」
邦丸「韓国国内の事情だけで見ると、2人の候補はどうですか?」
金「2人の候補は民主化ということを考えると、やっぱり与党の李在明氏を支えている人が多いです。特に30代40代50代の若者は、圧倒的に李在明氏の考え方や政策に従いたいという人が多く、尹錫悦氏の場合には70歳以降のやや保守の方に支持されています。日韓関係を考えるには、李在明氏がやや過激な発言をしているんですが、政策……例えば福祉、若者の就職に向けてのことだとか、高騰する不動産に対する対策など、李在明氏の方がより具体的に政策を提示しているんじゃないかという動きです」
邦丸「ああ~そうなんですか!」
金「で、野党の尹錫悦氏を支持している人は保守、60才70才以上の方がとても多いですが、まあ色んなスキャンダルが今テレビなどで報道されているところもあるので、どうなるかまだわからないっていう状況なんです。でも間違いないのは30代40代は圧倒的にこれから韓国の経済を支えなければいけない人たちなので、そういう人からすると李在明氏の訴えている政策・考え方には支持をしているところです」
邦丸「一番最近の世論調査を見てみると、尹錫悦氏の方が李在明氏を7ポイント程リードしているという結果になっています。これ結構大きいと思うんですけど」
金「その差はとても大きいんですが、韓国の世論調査は1か月で10%以上変わることもよくあるので、一喜一憂せず、状況を見守りたいと私は思っています。それぞれの候補が現在の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政策に対してどういうスタンスをとるのか、韓国国民は注目しているところです」
邦丸「日本は新しい政権・岸田政権が発足しました。韓国大統領選挙の結果で大分違ってくるにしても、日本はおそらく岸田さんは日本と韓国の合意というものがあったじゃないかと。一回合意したんだからそれをグラグラグラグラさせないでくれと。それは日本はずーっと変わらないと思いますが?」
金「今までの大統領はその合意に対して色々な意見があったんですけども、合意は合意ですので、私はそのまま守って欲しい。やっぱり国同士の約束なのでそれは守るべきだと思います。いずれもう一度話し合うにしてもそのブレーンが誰になるのかが重要な鍵になると思うんです。だから特に日本の事情を知っている人をブレーンに指名して欲しいと私は思います」
最近になって韓国ではコロナの感染者が再び増加し、深刻な問題となっているが、この大統領選挙が韓国国内、そして日本との関係を改善することを切に願いたいものだ。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。金恵京さんはスペシャルコメンテーターとして、第4金曜日に時々登場!radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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