『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 ガソリン代が家計を圧迫・・・。値段が下がる日はこないって本当?(おとなライフ・アカデミーWEB)

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今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。

この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。

2021年11月20日の放送は、石油代の値上がりについて。ガソリン代も灯油代も高い! と嘆くリスナーさん。受け入れるべきか、それとも値下がりするまで待つべきか・・・。金融の専門家はどう見るのでしょうか。

ガソリン代も灯油代も、最近高すぎませんか?!

今回の放送では、ガソリン代が今後値下がりすることはないかもしれない、というお話をしました。メールを紹介します。

ガソリンがあまりに高いので、クルマの外出を控えて家にいたら
寒い時期になって灯油を買おうとしたら灯油もバカ高くて
にっちもさっちもいきません。
大垣先生、ガソリンや灯油はいずれまた下がりますか。
それとも上がったまま、あるいはさらに上がり続けますか。
それによってガマンするか、受け入れるか、考えようと思います。

そろそろ本気(マジ)でオイル断ち さん(42歳・女性・川崎市)

ガソリンが安くなることは、今後ないかも

結論からいうと、石油の値段が下がっていくことは、中長期的に見るとないように思います。残念ですが・・・。

私たちが石油の値段について持っているイメージは「上下することが前提」というものです。

というのも、以前は、石油の値段決定って政治的な要因が大きかったんですよね。
産油国が作りすぎたとか、輸出制限をかけたとか、あるいは戦争が起こってしまったとか。

しかし、ここ数年で政治以外の要因が生まれてきたのです。

SDGsの広まりで、車の燃費が悪くなる?

その要因とは・・・ズバリ「SDGs」です。

近年、株式投資家たちは明確に、投資するかどうかの指標に「地球環境への考慮」を鑑みるようになってきています。

たとえば「火力発電所を作っている電力会社の株は買わない」「環境に優しい素材を使っている会社の株は買わない」といったように。

さらに言うと、そこを配慮していない投資家に対しても疑問の目が向けられ、投資信託が売れなくなることもあるようです。

「SDGs」という言葉は、今年の「ユーキャン 新語・流行語大賞」にもノミネートされていますが、実はガソリン代にも影響しているのですね。

市場が規制の厳しさを求めている

これまで、環境保全のための規制は政府や国際機関が行っていました。
そのため、各国や機関の経済的事情等を考慮しながら、いわば「すくみあい」のような状態でゆっくりと規制をかけてきていたわけです。

今は、株価や会社の格付けによって各企業が評価されるわけですから、縛り方のきつさも、スピード感も、これまでとは比較にならないレベルで進んできています。

もちろんそれは、これまでとは比べ物にならないレベルで、地球環境の悪化が現実のものとして眼前に迫ってきたということでもありますが・・・。

逆に言えば、だからこそ今後は、蓄電池の開発がもっと進んだり、あるいは電気自動車などの、いわゆる「サスティナブル」な商品やサービスが安価に手に入るようになっていくんだろうとは思いますけれどもね。

今回も、お便りありがとうございました

というわけで、リスナーさんからのメールについてお答えしますと・・・。

ガソリン代の値上がりは、多少の上下はあるかもしれませんが、社会全体の空気を見ても、今後価格が下がっていくことはないように思います。

ですから、ある意味、今の値上がりは受け入れざるを得ないのかな、と思います。

そんなわけで今回は、石油市場の値動きについて考えてみました。
メールいただき、ありがとうございました。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。金融商品などの利用や法制度については、必ず取扱金融機関のサイト等で最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。

JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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