吉崎達彦氏「米中首脳オンライン会談。その直前、会談の内容を予測した!!」~11月16日「くにまるジャパン極」
アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席による、オンラインによる初めての首脳会談が日本時間の11月16日午前9時45分頃に行われた。その会談の少し前、エコノミストの吉崎達彦氏は11月16日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、両首脳がどんな話をするのかについて予測した。
今回の会談で、吉崎氏は2つ焦点があると語る。
吉崎氏「ひとつは、緊急事態の連絡手段を設置すること。緊急事態とはそれこそ『台湾有事』ですよ。偶発的な事態によってお互い引くに引けなくなって、戦争に結び付くといった事態にならないように……例えば2001年ですね、アメリカの偵察機と中国の軍用機が海南島付近で衝突して、搭乗員が中国に人質に取られたなんて事件が実際にありましたけど、それに近いようなことが起きた時に、エスカレーションになっちゃう可能性がお互いにある。という時に、連絡手段をどうするかが問題になります」
野村邦丸アナ「具体的にはお互い歩み寄って何をやろうとします?」
吉崎氏「あくまでもこれは『万が一の備え』です。首脳同士が最悪の場合話し合えるホットラインの設置が実現すれば、ひとつの大きな成果になると思います。で、もうひとつは、トランプ前大統領が決めた制裁関税というのがあるわけですよね。中国側はもう早くあれをやめてくれって言っている。アメリカ側も今インフレが凄いんで、10月の消費者物価は前年比6%増ですよ。物価高の統計で5%~6%上がるっていうのは生活実感からしてみるととんでもない、本当に消費者が悲鳴を上げるような水準になってるはずなんですよ。で、せめてアメリカが勝手につけている対中制裁関税を何とか、そろそろ取り外すよみたいな話をエサにしている可能性があると思います」
野村アナ「お互い相譲らないけども、譲れるとすればまずはアメリカ側の制裁関税を『もう緩めようよ』って、こんなことを習近平さんがバイデンさんに『ジョー、あれ無しにしようよ』ってフランクに言える仲じゃないですよね?」
吉崎氏「まあ~逆に言われてしまうと、『何いってるんだ、おまえは人権問題とか他に色々あるじゃねーか!』ってまたそういう話になってしまうんで、これ外すの難しいんですよ。トランプさんの関税は外したいけど、人権問題でやってる別の制裁はまた、そっちはそっちで『あり』なんですね。だからアメリカとしたらかなりやりにくいかな、と」
野村アナ「今回の米中首脳会談って、日本を含む世界の国から見てどんだけの影響力があるんですか?」
吉崎氏「日本にしてみると『米中でオンライン会談やるんだったら事前に一言私にも相談してよね』と」
野村アナ「あ、言ってねーの!?」
吉崎氏「9月の電話会談は終わってから聞いたってことなんで。本当だったら事前に相談して欲しいですよね。こうこうここまでは言うけどここは譲らないからみたいなのを聞いときたいですよね。少し前にニーアル・ファーガソンというイギリス人の歴史家が書いていた『アメリカはキツネで中国はハリネズミだ。この2つが交渉すると、大体中国が勝つんだ』という文章があるんですが、どういうことかというと、キツネ(アメリカ)は気迷いが多い。ハリネズミ(中国)は50年前から台湾を最優先してきて、他の事は極端な話どうでもいい。逆にアメリカは常に色んな目的があって、気候変動もあるし通商問題もあるし、その時々の国内世論を反映してやっているからそれで結局振り回されて、気が付いたら中国が得点を重ねてる。この後始まる会談、また何かアメリカが中国側に譲っちゃったかな~という、嫌な予感がしてますね」
と、会談が始まる直前に語られた吉崎氏の予測。その答え合わせは会談の内容を伝えた報道でご確認いただきたい。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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