循環型社会をつくるには#1『浜松町Innovation Culture Cafe』

番組レポ 11/9, 2021

2020年7月1日に、全国の小売店でのレジ袋有料化が義務付けされてから1年以上が経ちました。大手コンビニ各社によりますと、レジ袋を辞退する人の割合は70％以上に達し、有料化前の25%からおよそ3倍程度に増えたとのことです。おしゃれなマイバッグを持つことやレジ袋を辞退する行動は、漠然と自分も環境問題解決に貢献できているという気持ちになります。しかし、自分の行動が実際にどの程度プラスチックゴミ削減に繋がっているのか、何をどこまで削減しなければならないのか、そもそもなぜ削減しなければならないのか、削減しないと将来どうなってしまうのか、ここを理解している人はどれだけいるでしょうか。

世界のプラスチックの年間生産量は過去50年で20倍に拡大しました。その年間生産量は、約3.8億トンと言われており、想像するのも難しい数字ですが、これは全人類に匹敵する重量です。一度利用されただけで捨てられてしまうことの多いパッケージのプラスチック生産が、プラスチックごみの量の増加に大きく影響しており、プラスチックごみ全体の約半分を占めています。そして日本は1人当たりのパッケージ用プラスチックごみの発生量が、アメリカに次いで世界で2番目に多い国です。この情報だけでも、知らなかったという方も少なくないと思います。冒頭でレジ袋の話をしましたが、レジ袋自体は日本におけるプラスチックゴミ全体の2〜3%にすぎないため、そこだけにこだわっていても全体のゴミ削減には繋がりません。大切なのは、私たちの身近なプラスチック製品であるレジ袋に対する意識変化がきっかけとなり、一人一人がプラスチックの無駄な消費に問題意識を持ち、ほかのプラスチック製品にもこの経験を活かしていくことで、問題を根本的に解決していく力なのです。今この瞬間から自分の生活をどう変えていくのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。この放送が、サステナブルな生活へ歩んでいくきっかけとなったら幸いです。

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」11月1日の放送では、スパイスファクトリー取締役CSOでスペースウォーカー経営企画サステナブル推進担当の流郷綾乃さんと、サントリーホールディングスサステナビリティ推進部部長輿石優子さんにご参加いただき、「循環型社会をつくるには」について熱いトークが繰り広げられました。

ゲスト紹介

1人目の流郷彩乃さんは、中小企業やフリーランスの広報を経験し、2017年から生物資源ベンチャーでハエを使ったバイオマステクノロジー事業を展開する株式会社ムスカの広報戦略を支援されました。2018年には、事業ステージに合わせて経営陣が変わるべきだという思いから、「代表取締役暫定CEO」というユニークな肩書に就任。2019年に代表取締役CEOに就任し、様々なビジネスコンテストで結果を残した事で、ムスカの認知度向上に大きく貢献されました。2020年に「自分の役目は終えた」と、ムスカのCEOを退任。2021年からはDXスタートアップのスパイスファクトリー株式会社取締役CSOや、株式会社スペースウォーカー経営企画サステナブル推進を担当されています。

流郷さんが浜カフェに初めて参加された時の放送はこちらからいただお聴き頂けます。
第６回「食糧問題を解決するヒントとは？」
https://podcastqr.joqr.co.jp/programs/hamacafe/episodes/93c2311b-d39c-4ecd-affb-bc58cbdb4d98

2人目の輿石優子さんは、大学卒業後サントリーに入社され、飲料・輸入酒のマーケティング業務を10年ほど経験されます。その後、一橋大学大学院国際企業戦略研究科で経営学修士号を取得。サントリーに復帰後は、アメリカにおける買収案件に携わり、アメリカでサントリーのコーポレートブランド構築業務に従事。2019年に帰国後は、サントリーグループのサステナビリティ推進業務を担当されています。

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