『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 大学教授になる方法、なってからの様子、教えてください(おとなライフ・アカデミーWEB)
今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。
この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。
2021年10月23日の放送は、大学教授になる方法が知りたい天然衛星さん。大垣さんは大学教授ですが、どんな経緯があったのでしょうか。教授たちの間で囁かれる「2年が賞味期限」という恐ろしい言葉の意図とは・・・!?
大学教授になる方法を知りたいリスナーからお便りです
今回の放送では、私が大学教授になった経緯についての質問にお答えしました。
大学教授になる方法を教えてください。
(天然衛星さん・女性・東京都足立区)
うーん。どうやってなるか。改めて聞かれると、難しいですね・・・。教授になるのって、年々大変になっているんです。
私が大学教授になれたのは20年ほど前だったのですが、ラッキーだったとしか言いようがないんです。あまり参考にならないかもしれません。
2004年、日本中の法学教授が足りなくなった!
私が教授になれたのは、2004年、日本で法科大学院を作ることが決まったのが直接の原因です。
全国に大学院を新たに設置することになるわけですから、先生の絶対数が足りなくなったんです。
一番適任なのはやはり弁護士の方でしょうが、弁護士を続けたい方も多いですからね。そこで私に白羽の矢が立ったというわけです。
今でも覚えていますね。お世話になっていた大学教授からある日突然連絡が来て「大垣さん、人生変えてみる気ない?」と言われて(笑)。驚きましたよ、本当に。
その先生からは、国立の大学に来てほしいと言われていたんですね。
嬉しかったですよ。自分は国立大学の教授になってほしいと言われるような人間なんだ! と。
ただ、当時働いていた会社に比べて、給料があまりにも安かったので、残念ですがお断りせざるを得ませんでした。
大学教授になれたのは、実力以上に強気になれたから?!
が、私はそこでかなり強気になってしまって。
私立の大学まで「教授になってやってもいいよ」と言いにいったんです(笑)。それでとんとん拍子に教授になることが決まりました。
後から考えてみれば、よくあんなに強気な「求職活動」ができたものだなあ、と思います(笑)。
人生、身の程を分かっていなくて、実力以上に強気になっているときのほうがうまくいくことってありますよね。
「実務系の大学教授は賞味期限2年」という言葉の真意は
大学教授がどんなに大変な職業かと言うのは、実際になってみてから痛感しました。
私の周りは、実務での経歴が認められて教授になった方々に対して「賞味期限は2年」と言うことがあるんです。
最初の2年は、仕事の内容をただ喋ればいいですよね。でもそのあとは、それなりに研究や勉強をする必要があって。
私もかなり苦労しました。今も苦労していますが・・・。
欧米で「大学教授」は資格職に近い
ちなみに欧米では、大学の制度が違うので、大学教授に対するイメージも異なるんですよ。
たとえば、2021年にノーベル賞を受賞された真鍋淑郎先生は90歳を超えてもアメリカで教授として教壇に立っておられますが、これは「テニュア」という終身雇用のポジションがあるからです。
テニュアの場合、自分で辞めない限りは一生働けます。ですから、プロフェッサーというのは、職業というよりは、どちらかというと資格に近いんですよね。
日本で教授になれるのは、大学に在籍している期間だけですから、「課長」とか「部長」のようなものですね。
・・・というわけで、今回は、私が大学教授になった経緯についてお話ししました。
天然衛星さん、メールをお寄せいただき、ありがとうございました。
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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…