吉崎達彦氏「吉崎流衆院選の総括!自民大勝と維新大躍進について私はこう読んだ」~11月2日「くにまるジャパン極」

吉崎達彦氏「吉崎流衆院選の総括!自民大勝と維新大躍進について私はこう読んだ」~11月2日「くにまるジャパン極」

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10月31日に投開票が行われた衆議院選挙は大方の予想に反して自民党が大勝。また、維新の会の躍進も目立った。エコノミストの吉崎達彦氏は11月2日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、今回の衆議院選挙の結果について詳しく解説した。

野村邦丸アナ「吉崎さんには毎回選挙の度に、『吉崎流総括』をしていただいてますが」

吉崎氏「今回の選挙、投票率55.93%。これは前回の2017年が53.68%、その前2014年が52.66%と、あんまり褒められた数字じゃないですが、ほぼ一緒なんですよね。で、そうすると大体5500万人ぐらいの方が投票している。その5500万人の方の投票が比例になるとどういう風な分布になっているか、というところに注目していました」

吉崎氏は今回の選挙の結果にはまずビックリしたという。その理由とは?

吉崎氏「自民党が獲った比例の得票数は1991万票。全体で34.7%ぐらいで、これはメチャクチャ高いんです。ちなみに前回は1800万、その前が1700万と増えています。これがね、多分みんな読めてなくて、今回261議席とビックリな勝ち方だったんですけど、事前に出てたマスコミの世論調査って233の、単独過半数行くかどうかとかね、中には210とかっていう数字が出たり。これが面白いんですけど、先週の火曜日に出た朝日新聞の予想が、265って書いてあるんです。これ今から見ると『スゲエ!殆どピタリ賞じゃん!』って感じなんだけど、出た時はあまりにも他の機関とズレてたもんだから『朝日は何トチ狂ってんだ!』って話になって、『ひょっとしたら朝日は自民に有利な情報を流して、油断させようとしているんじゃないか』とか」

野村アナ「先週の朝日ですよね?『絶対的安定多数』って出ましたよね!」

吉崎氏「あれはね、色々聞いてみると、どうもお金をケチッて、電話調査をあんまりやらなかった。ネット主体でやったらそういう結果が出たって話らしくて、普通に電話中心でやると、どうしても高く出ないんで、そこでみんな読み違えたらしい」

そして、この自民党が集めた1991万票の中身について吉崎氏はこう分析した。

吉崎氏「おそらく、若者が入ってるんですよ。つまり、毎年毎年選挙の年齢に達して、前回の選挙に比べると4学年分の若者が有権者として入ってて、この人たちは世論調査がまったく届かない。固定電話持ってないし。あんまりその、政治的主張とか伝えてくれなくて、そこをどうも見落としていて、自民党が蓋を開けてみたら勝った!っていう、そこなんじゃないかと思うんですね」

一方、野党共闘が不発に終わって敗北した立憲民主党、共産党を横目に、大きく議席を増やしたのが日本維新の会だった。

吉崎氏「維新はですね、今回800万票なんですけど、前回2017年は300万票なんで、500万票増なんです。維新の会は昔は800万とか1200万とか獲ってた時期があって、それは橋下徹さんのカリスマでもってる政党だった時で、今そうじゃないですよね?どっちかというと、誰がリーダーかよくわかんない。近畿でとんでもない獲り方してるんですけど、他もまんべんなく獲ってて、関東でも2ケタ。もともと反自民の保守層の受け皿っていうところがあったんだけど、今回は特に改革志向の都市住民の票を集中的に獲ったのかなって思います」

いきなり議席が4倍近くに増えた日本維新の会。吉崎氏はこんな風に語った。

吉崎氏「大阪維新の会が目標としていた『大阪都構想』は2回失敗してるんで、地域政党としては失敗しました。ところが全国政党として結構議席を貰ってしまって、このパワーはこの後どんな風になっていくのかって思いますね」

はたして、第二次岸田政権はどんな船出になるのか。「トリプルA」といわれた3人のうち、甘利さんは辞任して影をひそめる形になったが、安倍さん、麻生さんの両名はどれだけ影響力を保てるのか、そして今回の選挙が今後どんな日本を形作るのか、興味は尽きない。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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