『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 夫が死んだとき、住宅ローンの支払いはどうすればいいの?(おとなライフ・アカデミーWEB)
今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。
残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。
この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。
2021年9月25日の放送は、住宅ローンの返済にまつわるお話。ローンを借りている人が亡くなった場合、残された家族の返済はどうなるのでしょうか。
住宅ローンを借り入れている人が死んだら、遺族のローン負担はどうなる?
今回は、シンプルに一行のみ! のご質問です。
「名義人が死んだらもうローン払わなくていいのですか」
(やまいちごさん・女性・大阪府熊取町)
おそらく、夫婦のうちどちらかが名義人になって建てられた家で、ローンを残して旦那さんが亡くなった・・・という状況だと思うんですね。その場合、残された家族はローンを支払わないといけないのか、それとも支払わなくていいのか、と。
普通の相続は、いい財産も悪い財産も受け継ぐものですが・・・
普通、相続は、故人が持っていた財産については、預金から借金まで、全てを引き継ぐのが原則です。
ただし、家の場合は、返済額が高額になることもあり、通常は契約の際、一緒に「団体信用生命保険」に加入することになっています。
この保険に加入されている方が亡くなった場合、保険金としてローンの残額が全て返済されます。そのため、家族が返済を行う必要性はなくなるわけですね。
ちなみに、この保険を利用するために、家族が行う手続きは特にありません。借り入れを行った銀行側から連絡が来るかと思います。
リバースモーゲージローンの場合、通常のローンとは異なる返済方法も
ちなみに、最近は「リバースモーゲージ」というローンを利用される方も増えています。
これは、ローンを払い終わった家を担保に、生活費を借りられるものです。
返済は通常、金利分のみを毎月払えばよく、元本については、借りられた方が亡くなった際に、銀行が家を売却することで支払いを行うことになっています。
ふつう、収入の少ない老後に、まとまった額のお金を借りることはかなり難しいですが、このローンであれば、その問題が解決します。月々の返済額も金利分のみでかなり少ないため、老後の資金形成にピッタリのローンというわけですね。
さて、このリバースモーゲージの場合、借入人が亡くなっても、残された家族はお金を借り続けることが可能です。ご夫婦どちらもが亡くなったタイミングで、初めて家を売却します。
そうでなければ、夫婦のうちどちらかが亡くなった時点で、残された側の住む家が無くなることになりますからね(笑)。
そんなわけで、今回は住宅ローンの返済方法について考えてみました。やまいちごさん、お便りありがとうございました。
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パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。
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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…