デジタル化の遅れが強み!?堤未果さんが語る、日本が目指す幸せなデジタル社会~10月27日「くにまるジャパン極」
新著『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が売られる』を発表した国際ジャーナリストの堤未果さんが10月27日に「くにまるジャパン極(文化放送)」で、9月1日に発足した「デジタル庁」の問題点と、同時にデジタル化が遅れている日本ならではのメリットについて語った。
2021年9月1日にデジタル庁が発足し、デジタル化が進む日本で、個人個人が持つべき情報の重要性について。
堤未果さん「私たち日本人は、“個人データがお金になる”、“他国に攻撃されるくらい重要なデータ”という意識がないんですね。(SNSなどが)日常生活でもカジュアルに使われていますけど、“個人データは価値が高い”、“一度漏洩してしまうと被害が大きくなる”。この2つを頭に入れることが大事なんです」と、デジタル化する社会にとっての個人情報の価値を語った。
さらに、
堤未果さん「私たちの個人情報って、例えばFacebookのアカウントを持つためとか、Googleマップで位置情報を出したりとか、簡単にやっているんですけど、実はそのデータは企業に売られているんです。“SNSの情報”、“位置情報のデータ”、“Amazonで買った書籍の種類”など合わせてアルゴリズムに入れると、7時間後にその人が、どこに行って誰と会うか、何を食べるか予想できちゃうんです」
太田英明アナ「え!?そんなことまで分かっちゃうんですか?」
堤未果さん「できます。例えばアメリカでは、就職で面接するときに、その人がどういう志向を持っていて、どういう物を食べていて、という履歴書では分からない情報をシャッフルして、“この人は半年後に会社を辞めて他に行きます”と予測することができる。その情報を商品として企業が買うので、初めから面接しないんです」
太田アナ「個人の選択で物を買ったり進路を決めたり人生の判断しているつもりでも、データを持っている企業なりにコントロールされてしまう可能性が非常に大きくなるということですか?」
堤未果さん「はい。私たちが渡すデータが変な形で漏れてしまったら、就職とか結婚で差別にあって、人生がおかしくなってしまう。だから提供した個人情報を企業がどう使うかルールを付けなければいけない、ということです」
太田アナ「一人一人が声をあげて政府を動すことができたら、個人の情報を勝手に使うことにブレーキをかけることができると?」
堤未果さん「できます。特に日本は(デジタル化が)遅れているので、これからデジタル庁の仕組みにしても、テクノロジー企業との付き合い方、どういうルールを課すのか。今からやっていけばいいんです」
太田アナ「海外でも成功例・失敗例、あると思うんですけど、日本がこれからデジタル化していくうえでは、正しい方向に進んでいく可能性が持てるということですか?」
堤未果さん「そうなんです。海外の方が早い分、失敗と成功を両方見せてくれているんです。なので、日本はデジタル化が遅れているからといって気おくれする必要はなくて、大事なものは守りながら、いい形でデジタルを使うことができれば、使い方次第で幸せなデジタル社会にもなれるんです」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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