ガソリン高騰を止めるには… 温暖化ガス増加でエネルギー政策を考える ~10月26日「おはよう寺ちゃん」
10月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、寺島尚正アナウンサーと火曜コメンテーターの上武大学教授・田中秀臣氏が、国連気候変動枠組条約事務局が公表したパリ協定に関連する報告書について議論を展開した。
「トリガー条項」がもたらす経済効果
同報告書は、各国が提出した2030年の温暖化ガスの排出削減目標が国際枠組みのパリ協定の目標に合致しているかを分析したもので、「現段階の削減目標では、2030年時点での温暖化ガスの排出量が、2010年に比べて16%増になると指摘している。パリ協定の目的を実現するには不十分で、一段の対策が必要になる」と報告されている。
この報告書について、田中氏は次のように語る。
「確か2010年度と比較して16%増になるのではなくて、マイナスにしなければならないって話でしたよね。だけど現実には増加してしまったと。しかもコロナ禍で経済が停滞している状態で(温暖化ガスの排出量が)増えているので、コロナがなければもっと増えている可能性も否定できないですよね。ということは、パリ協定に何か大きな欠陥があると思わざると得ないです。一部の国では民間の投資を呼び込もうということで、脱炭素化の動きが金儲けのために急ピッチで進んでいました」(田中氏)
続けて、パリ協定に「振り回される国」と、そうでない国々がある事実にも触れた。
「日本のように海外にエネルギーをかなり依存している国は、そういった動きに振り回されていますね。その一方で中国やインドなどの新興国はCO2増加の主因ですよね。そこがフリーパスみたいな形になっていて、日本のような海外に資源を依存していて真面目な国は、真面目にやってしまっていますね。日本国民にとっては不幸な枠組みなので、個人的には離脱してほしい。日本のトランプさんみたいな人がいないのかなと思いますね(米大統領在任時、ドナルド・トランプ氏はパリ協定離脱宣言を出した)」
話題が価格高騰を続けるガソリンと灯油におよぶなか、田中氏は、国民民主党の政策でも触れられている「トリガー条項」を取り上げた。
「ガソリン価格が一定金額を超えたら税金を下げるというものです。しかし税収が下がると(東日本大震災の)復興財源を圧迫するとして、現在凍結されています。ガソリン価格のトリガー条項で1.5兆円の経済効果がありますので、ぜひやってほしいですね」
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。