小型原発は安全? 脱炭素社会に向け導入論加速 ~10月25日「おはよう寺ちゃん」
10月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、寺島尚正アナウンサーと月曜コメンテーターの郵便学者・内藤陽介氏が、世界的に脱炭素に向けて動き出したエネルギーにまつわる流れの中で、現在開発中の小型原子力発電所について議論を繰り広げた。
アメリカやロシア、中国などが開発
次世代原子力である小型モジュール炉(SMR)の導入論が国内外で出ている。世界ではおよそ70基が開発中とされ、フランスが導入する方針を表明。日本でも建て替えの候補に挙げる声がある。
SMRは既存の原発よりも工期が短く、品質管理がとてもしやすいのも大きな特徴。炉が小さいため理論上は安全性が高いとされていて、万が一の事故の時にも冷却が早いとされている。開発を主導するアメリカに18基、ロシアに17基ある。また、中国も開発に乗り出している。
「この小型原発導入論、どうご覧になっていますか?」と寺島アナが内藤氏に意見を求めると「脱炭素をどうしてもやりたいのであれば、一定の割合以上で原発は稼働せざるをえないので、その中でより良い技術が出てくれば導入するのは当然、検討に値すると思います。ただその反面、今再稼働しないで止まってる原発も多いじゃないですか。まずはそれを動かすのが基本なんじゃないですかね」とこたえた。
日本は開発競争で出遅れていて、東京電力福島第一原発の事故の後、原子力への信頼が十分に回復していない影響がある。自民党・甘利明幹事長は12日、日本経済新聞のインタビューで、「既存の炉よりも安全性が高いとされる小型炉の方が国民の理解が得やすい」として脱炭素を実現する電源として期待を示している。
「信頼回復って言いますけど、まだそんなに不信感って強いんですかね? 僕は脱炭素があろうとなかろうと、今ある原発はある程度動かすべきという考えなので。そういう人たちを説得するために口実として脱炭素を使うっていうのはいいと思いますね」と内藤氏。その後も海外の例を挙げて、脱炭素の裏に隠された各国の目的について語った。
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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