コロナワクチンの『交互接種』、その安全性は?~10月21日(木) 斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!
厚生労働省が新型コロナワクチンの接種で、1回目にモデルナ製のワクチンを接種した10代及び20代の男性のうち、希望すれば、2回目の接種でファイザー製かモデルナ製のいずれかを選べるとする方針を示したことを受けて、「ニュースサキドリ・後半」(午後4時2分~)では、政府の予防接種ワクチン分科会のメンバーで、川崎医科大学の教授、中野貴司氏に電話を繋ぎ、「交互接種」の有効性・安全性について話を聞いた。
厚生労働省は今月15日、10代及び20代の男性において、ファイザー製に比べ、モデルナ製を接種した後に、心筋炎等が発生する頻度が高いことを受けて、2回目にファイザー製を選択することができるとする見解を示し、各自治体に通知した。
まず、このことについて中野氏は、「トータルの頻度は高くないが、10代及び20代の男性にそうした症状が出る頻度が高い事がわかっている。そういう点では、2回目の接種にファイザー製を選択肢として与えたのは良い事だと思う」とした。その上で、「でも、なかなか一般の方にどれくらい理解頂けているのかは難しいところがあると感じている」とも指摘。そして、このような接種の仕方を、「交差接種」ではなく、「交互接種」との言葉を使うことが、9月の予防接種ワクチン分科会で決まったことを紹介し、その有効性・安全性については、「同じ病気に対する免疫を誘導する、しかも、(ファイザー製とモデルナ製は)メッセンジャーRNAワクチンという種類で非常に似通っているので、1回ずつでも有効性・安全性は比較的保たれていると推測する事は妥当だと思う」とした。
更に3回目の接種ではどうなのか、を聞いてみると、中野氏は「(臨床試験の)データーをもとに3回目の接種の選択肢が国民に提示されるだろう。(3回目の接種は)これから半年以内にはおそらく、いろいろなことが進んでいくと思うので、少数例でもデーターを集積して報告していくことが必要であると感じる」と、国民への丁寧な説明を強調した。
東京都は通知を受けて、2回目にファイザー製の接種を選択できる接種会場を都内の4カ所(※)で実施することを決めた。この日から受け入れが始まった、青山学院大学周辺で10代・20代の男性に聞くと、「いいと思うが、(自分は)すぐ打ちたいのでモデルナを接種しようと思う」、「選択肢があること自体は否定しない」、「自分が同じ立場だった場合にそうするか(選択するか)どうかはわからない」と受け止めは様々だった。
政治学者で鎮西学院大学(長崎県諫早市)の学長でもある、スペシャルコメンテーターの姜尚中氏は、「ワクチン一辺倒でいくのは個人としては(若い人に)進めがたいが、大学関係者としては、大学生にはワクチンを接種してほしいというのが偽らざる心情」とした上で、「出来る限り簡単に違いを明確化するようなもの、デジタル情報を流してほしいと思う」と、効果やリスクについて共有できる情報の発信を求めた。
とかく、SNSなどから発信されるフェイクニュースの類には十分注意し、正確な情報を得た上で判断することが必要である。
※東京都が受入れを決めた会場(会場ごとに対象者・運営時間が異なりますので確認下さい)
①青山学院大学、②一橋大学、③東京都立大学、④東京都行幸地下ワクチン接種センター
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