日本の平均賃金、30年間ほぼ横ばい…なぜ上がらないか?二木啓孝氏が解説~10月20日「くにまるジャパン極」
この30年間、日本の平均賃金はほとんど変わっていない。経済協力開発機構(OECD)の2020年の調査によると、日本の平均賃金は424万円で上昇率はわずか4%。なぜ上がらないのか?10月20日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、ジャーナリストの二木啓孝氏は2つの理由を挙げて解説した。
日本の平均賃金はこの30年間で、わずか4%増えただけだ。これに対し、アメリカは47%、イギリスは44%と先進国は4割~5割伸びている。なぜここまで開きがあるのか?二木啓孝氏は日本の平均賃金が上がらない理由の一つとして「非正規雇用が増えたこと」を挙げた。
二木氏「非正規雇用がべらぼうに増えた。この20年弱くらいで働く人の中で非正規雇用の割合は2割から4割に増えてます。企業からすると非正規雇用のほうが、景気の良い時に雇えるし、景気の悪い時に契約をやめることができて、企業収益の安全面になっています。非正規雇用が増えることで、相対的に賃金が上がらない構図になってきています。」
そしてもう1つの理由として「労働組合の力が弱くなっていること」を指摘した。
二木氏「労働組合は、70年代は賃上げしないとストやるぞ!みたいなことがあったんだけど、今はストはやらない。“今年は何%賃上げしろ”みたいなことは言ってるけど、実際は強い要求すると解雇されちゃうんじゃないか?という不安があって賃上げも大きく言えない。組合に入っている人の数も戦後は6割いたけど今は2割、力がないんです。」
今度の衆院選では、賃金や所得をどう引き上げていくかが争点の一つになっている。最後に二木氏は、「各政党の言うことを聞いて、我々の給料が上がるか?という視点で選挙戦を見て欲しい」とリスナーに訴えた。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。二木啓孝氏は毎週水曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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