今シーズン、国内でのインフルエンザ大流行に注意せよ! ~10月13日 ニュースワイドSAKIDORI!

今シーズン、国内でのインフルエンザ大流行に注意せよ! ~10月13日 ニュースワイドSAKIDORI!

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中外製薬は11日、新型コロナウイルスの治療薬「抗体カクテル療法」について、
予防と無症状者への治療にも使えるようにするため、厚生労働省に適用拡大を申請した。
現在は軽症や中等症の患者が対象の治療薬だが、
予防薬としての効果も期待できるとしている。

一方、日本感染症学会はこの冬に備え
インフルエンザワクチンを積極的に接種するよう呼びかけている。
昨シーズンはインフルエンザの患者が激減したが、
今シーズンは海外との往来制限が緩和され、ウイルスが持ち込まれれば
大流行の恐れがあるとしている。

中外製薬が抗体カクテル療法の適用拡大を申請したこと、
そして今シーズンのインフルエンザについて、感染症、予防接種、小児科が専門の
川崎医科大学教授・中野貴司氏が電話で出演し、解説した。

「新型コロナは、一定数の患者が出ると重症化する人が一定数出るため、
医療現場の逼迫が一番の問題だった。これを解決するために、
病気になる前に病気を防ぐ選択肢が出来ることはいいことだと思う。
中外製薬が言っている“予防”というのは、
おそらく濃厚接触者等に使う目的だと理解している。

今回、審査を迅速に進めるために中外製薬は特例承認の適用を希望しているが、
実はこれまで承認されたワクチンも特例承認で承認されたものだ。
この夏のコロナの状況と同じように患者数が急激に増加すると医療の逼迫を呼ぶので、
それに対処するために手順を急いでいると考えられる。

予防薬として使う場合の一番の課題は、どのような対象者に使うかだ。
抗体カクテル療法は点滴で投与するので、飲み薬に比べるとそれなりに手間もかかるし
患者が陽性者であれば、現場での感染対策が必要となってくる。
そういうことを考慮すると、どのような患者にどのように使うかということが
一番のポイントとなってくる。

また中外製薬は今回の申請の中で「皮下投与」も追加申請している。
皮下投与というのは、いわゆる一般的な注射のことで、
医療の現場としては点滴注射よりは手間もかからず
患者への負担も軽くなると考えられる。」

ここで斉藤キャスターから
「抗体カクテル療法を予防薬として使うことになると、ワクチンが打てない人、
ワクチンをどうしても打ちたくない人の受け皿になり得るのか?」という質問が出た。

これに対し中野氏は、「ワクチンには能動免疫といって
その病原体に打ち勝つ免疫力をつけるという作用があるため、
一般的に長い期間有効である。
その一方、薬剤というのは身体の中から一定の速い速度で段々減っていくため、
予防できる期間が一般的にはワクチンより短いケースが多いと思われる。
そのため、受け皿になるかどうかの判断は難しい」

次に、インフルエンザワクチンについて中野氏は以下のように解説した。

「今年の夏にインドやバングラデシュなどでインフルエンザが流行、
そういう国との往来が緩和されると、間違いなくインフルエンザウイルスは
人と一緒に持ち込まれる。しかも去年はインフルエンザが流行せず、
今シーズンもここまでほとんど患者が報告されていないということは
インフルエンザウイルスに出会っていない人が増えているということで、
そんな免疫のない人たち、つまりインフルエンザにかかりやすい人が
国内に大勢いるとなると、インフルエンザの大流行も起こりえる。
日本感染症学会は、海外との往来制限が緩和されて
インフルエンザウイルスが持ち込まれると大流行の恐れがあると見ている。」

これを受けて斉藤キャスターが
「新型コロナウイルスワクチンを接種したばかりの人が
インフルエンザワクチンを打ちたいとした場合、
どれくらいの間隔を空ければいいか?」と質問。

これに対し中野氏は「現在の国内規定では、
新型コロナワクチンと他のワクチンは2週間の間隔を空けることになっている。
一方、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)は
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種を認めている。
アメリカやイギリスでは、新型コロナワクチンが出始めた頃は、
日本と同じような措置をしていた。
その後制限を緩和して、同じ日に打てるようになった。
おそらく日本も海外の動向を見据えて、間隔の緩和を検討するようになると思う」と答えた。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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