脳科学者・中野信子さんの「脳科学で答える人生相談」〜 10月12日「くにまるジャパン極」
「人付き合いが苦手を越えて、人を嫌いと思うようになってしまった」「誰かに強く怒られると思考が停止してしまう」など多くの人が抱えていそうな悩みについて、10月12日「くにまるジャパン極(文化放送)」では、脳科学者の中野信子さんに【脳科学の観点】から解決法を解説してもらった。
野村邦丸アナ「47歳の女性なんですが、この方は『“人付き合いが苦手”を越えて、“人嫌い”という感情に変わってしまい外出するのが嫌になってしまった。実は祖母が昼間でもカーテンを閉め切って暗い中で過ごすうちに認知症になってしまったのだが、自分も同じようになってしまわないか不安』という悩みを抱えていらっしゃいます」
中野氏「朝の光、いわゆるブルーライトを浴びていないとダメなんですよ。ブルーライトを浴びることで、ビタミンDやセロトニンなど色々なものが合成されスイッチが入って体が動くようになっているんです。そして、そのスイッチが入った15時間後にセロトニンがメラトニンに変わる。これが睡眠が進んでいく仕掛けなんです」
メラトニンができないとどうなるのか?
中野氏「メラトニンができなかったりすると、うまく睡眠が取れなくなる。睡眠時にしか“脳のゴミ”って洗い流されないんです。“脳のゴミ”が溜まると認知症のリスクが高まってしまうんです」と解説。
野村アナ「この方も心配だったら、ベランダに出て人に出会うことなく朝の光は浴びるようにするのはいかがでしょう?」
中野氏「田舎に住んで人と会わずノビノビするのもいいかもしれませんね」こんな解決法を提案した。
また…
野村アナ「34歳の男性で、経験したことのないトラブルや誰かに強く怒られると思考が停止してしまう…こんな悩みを抱えている方がいるんですが…」
中野氏「哺乳類やげっ歯類は【電気ショック】を与えると“フリージング”という固まって動けなくなる現象が起きるのですが、それがこの方にも起きているんではないでしょうか?脳の中には偏桃体というところがあって、ここが恐怖とか不安をつかさどるといわれています。偏桃体には外部から刺激があった時『ここには近づいちゃダメですよ』とか『ここでイヤなことがあったから避けよう』など警戒心を呼び起こすために必要な機能があるんです」
では、この方が思考停止にならないためにはどうすればいいのか?
中野氏「この方の場合、“自分は怖がりやすい性質”なんだということをまず受け入れることが大事。そして怒られた時、『相手は今怒っているけれど、自分の人格を否定しているわけじゃない』『ただ単に怒っているだけなんだ』と捉える練習が必要。例えば動物が怒っているように置き換えてみるとか、映画のワンシーンのように見てみるとか工夫してみてはいかがでしょう」
野村アナ「ジブリ作品の“怒っているオウム”であったり“怒っているイノシシの神様”であったり、自分の頭の中で映像化しちゃうってことですか?」
中野氏「そうそうそう。自分の中で変換できると【電気ショック】にならなくなるんです」と脳のメカニズムをわかりやすく解説した。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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