4度目のパラリンピックでついに金メダルの木村敬一「次は何に向けて頑張ろうか。誰か決めてほしい(笑)」~ニュースワイドSAKIDORI

4度目のパラリンピックでついに金メダルの木村敬一「次は何に向けて頑張ろうか。誰か決めてほしい(笑)」~ニュースワイドSAKIDORI

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東京パラリンピック競泳100mバタフライ(視覚障害のクラス)金メダリストの
木村敬一選手が、28日、文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」内
『応援!ユニバーサルスポーツ』に、21日に続いて電話で生出演。
夢をかなえた今の心境やこれからについて語った。

冒頭で斉藤一美キャスターが前回(21日)の木村選手に話し方について切り出した。
「過去の出演時と比べて、さらに話し方が穏やかになったと思うのだが、何が何でも欲しかった金メダルを獲得してから、心境の変化については?」と尋ねると、木村は『(金メダルを獲れて)良かったなぁ、と思っていて。それ以上でもそれ以下でもなく、
ただただ良かった、良かったと思っているところ』と率直に答えた。

続けて木村は『たかだか31年しか生きていないのだけれど、その中で(表彰台に)立てた金メダルを獲るという目標は自分の中で大きかったと思うし、それを達成したので、
今は、次は何に向けて頑張って行こうかなと探している段階。金メダル獲得から
そろそろ1ヵ月なので。(自分に)ちゃんとしろよとは思っている』と言いつつ、
トレーニングに明け暮れた日々とは対極にある、今のゆったりとした日々を
満喫しているようだった。

普段の木村はアスリートの中でもよく喋るタイプで、質問にも具体的に答えてくれる。
斉藤は「もしかしたら、今、腑抜けになっている?」と訊いた。木村も『なっている』と返答し笑わせてくれたが、木村自身、人生の大きな目標を叶え、ふわふわした状態なのだろう。逆に言えば、木村の目標は彼だけのものではなく、コーチ、関係者、スポンサー、両親など、多くの人々と共有したものだった。それだけの期待が木村の肩に長年のしかかっていたことの証しとも言える「腑抜けた」状態なのではないだろうか。
2週に渡った放送の中で、木村はまるで自宅に友人の斉藤を招いてリビングで酒を飲みながら、くつろいでいるような話し方だった。
さて話題は金メダル獲得の源泉となった2018年5月の渡米に移る。
英語が話せないだけではなく、目が不自由な木村がトレーニングの拠点を
アメリカに移したのは、かつての木村のライバルでパラリンピック金メダリストのブラッドリー・スナイダー選手(ロンドンで2冠、リオで3冠のアメリカ自由形のエース)に、SNSで連絡したところ、『(自分を育ててくれた)ブライアン・レフラーコーチを紹介できる』と言われたのがきっかけだ。リオデジャネイロ・パラリンピックが終わって以降、木村は「日本ではこれ以上頑張ることは出来ない」という気持ちを抱えながら、新たなモチベーションの場を探していたのだ。ブライアンコーチはボルチモアが拠点。木村は渡米当初、ボルチモア・オリオールズに在籍経験のある上原浩治夫妻にお世話になり、特に奥様の手料理でもてなされたという。

先述したように、木村は渡米当初、英語が話せなかった。『水泳の練習は、最低限、数字が聴き取ることができれば何となるが、外食が大変でビュッフェで説明してもらっても、何があるのか結局食べてみないとわからない。何でも良くなった(笑)』と明かしてくれた。ブライアンコーチの指導はもちろんだが、どんな環境や場面に出くわしても動じないメンタルが、ボルチモアで培われたのではないか。渡米はメンタル面で木村を大きく成長させた。そうでなければ、100mバタフライの決勝で、予選よりタイムを落としながらも勝ち切れることなど、ありえないだろう。渡米のことも含め、木村の自伝「闇を泳ぐ」の中には、水泳を始めたきっかけ、学生時代の夜の大脱走事件のこと、教育実習、リオ大会での睡眠障害など、これまでの歩みと自身のエピソードが惜しみなくつづられている。

そして、ライバルの富田宇宙選手の話題に。松井佐祐里アナウンサーが「国内に強力なライバルがいたことも緊張感を保つ上で大きかったのでは?」と訊いたところ、『(富田選手の存在があったから)パラリンピックに出るような国際レベルの戦いを国内でお互いに続けることが可能になり、プレッシャーの中で泳ぎ続けていたからこそ、東京パラリンピックのプレッシャーにつぶされることなく勝ち切ることができた』と振り返った。松井が木村の今後について、「(金メダル獲得後)いろいろなインタビューを
見聞きしていると、木村さんが(記者の質問を)かわしているような気がするのですが・・・」と突っついた。木村は「かわしているというか、本当にわからない。うーん、本当に自分の目標を達成させてもらうことができたので、次はそれにこだわる必要も
ないと思っているし、もう1回水泳でチャレンジしたいと思ったらすればいいし、
他のことがしたいと思えれば、それに行っていいようになった気がしている。
これまでは金メダルを獲らないと、次のステージに行ってはいけない気がしていた」と
2週に渡る放送の中で、ハイライトになるような正直な思いを吐露した。

斉藤が最後に
「現役を引退するということは無いですね?」と確認した。
『いや、それも全然わからない。誰か、決めてほしい』という木村の想定外の返答にざわつくスタジオ。斉藤が間髪入れず、「まだまだ泳ぎっぷりは見たい。現役を続けて!」と要望にエールを込めて締めくくった。

次回(10月5日)の『応援!ユニバーサルスポーツ』では、木村のライバルで
東京パラリンピックで銀メダル2つ、銅メダル1つを獲得した富田宇宙選手を
スタジオにお迎えする。是非、聴いて欲しい!

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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