日本パラ競泳界のエース、木村敬一!ついに獲ったぞ、金メダル!~9月21日ニュースワイドSAKIDORI!

日本パラ競泳界のエース、木村敬一!ついに獲ったぞ、金メダル!~9月21日ニュースワイドSAKIDORI!

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東京パラリンピック競泳100mバタフライ(視覚障害のクラス)金メダリストの
木村敬一選手が、21日、文化放送「斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!」内
『応援!ユニバーサルスポーツ』に、電話で生出演し、
4度目のパラリンピック出場で金メダル獲得に至るまでの重圧について率直な気持ちを述べた。勝ったからこそ伝えられる本音がそこにはあった。

この日(21日)、総理大臣官邸で総理大臣感謝状贈呈式が行われ、
東京オリンピック・パラリンピックの金メダリストらおよそ20名が出席した。
冒頭、斉藤一美キャスターがその話題に触れた。
贈呈式には、木村選手も出席したが、菅総理と直接話す時間はなく、
「いすに座っておとなしくしていた。式典は粛々と進んでいた」と冗談交じりに答えた。

もちろん、木村のご両親はもちろん、関係者や友人らも、こうした舞台に、木村が胸に金色のメダルを輝かせて出席したことを誇らしく感じているはずだ。

木村選手に「ニュースワイドSAKIDORI」が必ず訊きたかったことはひとつ。
木村の金メダル獲得までの「プレッシャー」だ。

パラリンピックの過去3度の大会で木村は金メダルの壁に跳ね返された。
前回のリオデジャネイロ大会では、何と、大会期間中に睡眠障害を発症してしまった
とのこと(先月発売されたばかりの木村の自伝「闇を泳ぐ」より)。
こうした悔しさを胸に、2018年、木村は練習環境を、そして自分自身を変えるために渡米した。しかしその後、新たな試練が待ち受けていた。それは東京パラリンピックの1年延期だ。大会開催も危ぶまれる中、木村はしっかりと準備を続けてきたが、
自分にかかる重圧は計り知れなかったのではないだろうか。
斉藤が「何が何でも欲しかった金メダル獲得のプレッシャーとどうやって
向き合ったのか」と訊くと、木村は『今、振り返ると、結構しんどかったなぁ、と。
自分が自分にかけているプレッシャーは大きくて、すごくいいトレーニングをして、
しっかり頑張ってくれよって、自分が自分に思っていた。本当によく頑張ったなと
今思う。(ロンドンで初めてメダルを獲得してから9年のうち、アメリカから帰国後の)
この1年半が一番長かった』と振り返ってくれた。

渡米したことは木村に大きくプラスに働いたようだ。
「アメリカにいた時の方が楽しくやれていた。新しい環境でいろんなことを
吸収し、成長を自分で感じて充実した毎日だった」
帰国後、コロナ禍で開催の是非が問われた。
「それでもトレーニングだけは続けないといけない。
口ではプラス1年もらえたから、さらに上乗せできると言ってはいたが、やっぱり
しんどかったんだろうな」と、まるで自分を労わるような話しぶりだった。

番組サブキャスターの松井佐祐里アナウンサーは、5月のジャパンパラ競技大会と
今回の東京パラリンピックで、実際、会場で木村の泳ぎを見ている。
この3ヵ月間で、木村がどのようにコンディションを上げていったのかを尋ねたところ、
木村は「6月は通常通りにトレーニングし、どうしても試合が少ないので
7月に一度長野県で合宿を張り、タイムトライアルのレース形式を繰り返した」と答え、
コロナ禍であっても、勝つために最大限できることを日々取り組んでいたことを伝えた。

なぜ、松井がこの質問をしたのか。
本番を想定した5月のジャパンパラの100mバタフライの決勝で、木村のタイムは
1分2秒95だった。
少なくとも1分2秒台の前半でないと、東京パラリンピックの決勝では勝てない。
あの時点で、木村のコンディションは悪くなかったが、良くもなかった。
ただ、このまま調子が上向かないと、東京パラリンピックで金メダルを確実に獲れる
保証はない。そうした経緯があったため、本番までにどんな風にコンディションを上げたのか、松井は気になっていたのだ。
(もう少し補足すると、木村の東京パラリンピック100mバタフライの予選のタイムは
1分2秒25で、これでライバルの富田宇宙にプレッシャーをかけた。決勝は
1分2秒57で予選よりもタイムを落としたが、それでも勝ち切れるコンディションを
作ったことが木村の勝因ではないだろうか)

話題は、木村のご両親のことに移ったのだが、ここで予想外のアクシデントが発生した。電波状況が悪かったのか、突然、電話が切れてしまったのだ!しかも2度も(苦笑)。ようやくつながった電話の向こうで、木村は悲願の金メダル獲得について、木村は「母より父の方が喜んでいた」と明かしてくれた。

木村は小学6年まで滋賀県で育った。
木村の父は、息子に東京の筑波大学附属視覚特別支援学校の中学受験を勧め、
大きく羽ばたいてほしいと願った。
また、小学校から寄宿舎で生活し、中学で上京する息子を、木村の母は
引き離されるような気持ちを胸に抱えつつ、これまであたたかく見守り続けた。
電話が切れてしまったこともあるが、木村が両親のことについて言葉数が少なかったのは、長く喋ると様々な思いがこみ上げてきてしまうからだったかもしれない。

木村について言えば、全盲の彼にターンやゴールの位置を知らせるタッパーの寺西真人さんもまた木村の競技人生に欠かせない存在だ。
寺西は木村の中学、高校時代の恩師で、8月10日の「応援!ユニバーサル
スポーツ」にも電話出演してくれた。

斉藤が「100mバタフライを泳ぎ切り、寺西さんから、1分2秒57、金メダル
おめでとう!」と教えてもらった時の気持ちを木村に尋ねると、
木村は「何かもう、全部どうでも良くなった・・・うーん、決壊したという感じ」と、
独特な表現で気持ちを吐露し、喜びをかみしめていた。

気の遠くなるような年月を、金メダル獲得に向かって邁進した日々。
河合純一、酒井喜和、秋山里奈といった金メダリストを育てた名伯楽、
寺西真人も、木村に金メダル獲得を伝えた後、気持ちが決壊。大号泣だった。

今回の電話出演で、木村敬一の口調は、いつもに増して実に穏やかだった。
金メダル獲得後も挨拶回りで忙殺され、多少の疲れもあると思うが、その中に
やり遂げた充実感が電話口から伝わってきた。
来週火曜(28日)の「応援!ユニバーサルスポーツ」も、
木村敬一選手が電話で生出演してくれるので、ぜひ聴いて欲しい。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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