中国のTPP加盟申請 その本気度は?思惑は?なぜこのタイミング? ~9月21日「おはよう寺ちゃん」
9月21日の「おはよう寺ちゃん」では、日経新聞の「中国のTPP加盟申請をマレーシアが支持」という記事が話題に取り上げられ、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、火曜コメンテーターの上武大学教授・田中秀臣氏が議論を展開した。
マレーシア、シンガポールは中国のTPP参加に前向き
中国のTPP(環太平洋経済連携協定)加盟申請について、マレーシア政府は「メンバーに迎えることを楽しみにしている」と声明を発表した。
マレーシアにとって、中国は輸出・輸入ともに最大の相手国である。現在マレーシアはTPPの国内批准手続きの最中で、年内には終える予定とのこと。
一方、中国の王毅外相がシンガポールへ訪問した際の会談では、シンガポールの外務大臣は「中国がTPPへの加盟を検討することを歓迎する」と伝えた。RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の早期発行でも、ASEAN(東南アジア諸国連合)と中国は一致している。
中国のTPP参加に関する一連の話題について意見を問われた田中氏は、次のように説明した。
「こういった反応は出てきますよね。TPPは自由貿易圏だけではなく安全保障的な面もありますので、中国側は明瞭な意志を持って楔を打ち込んできていることは間違いないですね」(田中氏)
ただし、日本とオーストラリアは異なる意見を持っているようだ。
「中国がアジアの貿易秩序を主導することを警戒している日本は『中国がTPPの高い基準を満たす用意ができているか』を見極める姿勢です。また、オーストラリアは中国との貿易摩擦を解消しておらず、これが解決するまでは中国の加盟を支持しないと示唆しています」(寺島アナ)
中国がTPPに加盟するには11カ国全加盟国の支持が必要になることから、日本やオーストラリアからの支持は中国にとって必須となっている。
最後に田中氏は「中国はTPPに参加できるとは本気で思っていないんですよ。(中略)安全保障の面で乱してやろうと。それで一番被害を受けるのは日本やオーストラリアですよね」と分析してこの話題を終えた。
<参考ニュース>
【シンガポール共同】マレーシア政府は20日までに、中国の環太平洋連携協定(TPP)への加入申請について「2国間の貿易や投資が一段と高みに達する」と支持する姿勢を示した。国営ベルナマ通信が伝えた。
ベルナマ通信によると、マレーシア国際貿易・産業省は19日付の声明で中国の姿勢を「非常に勇気づけられる」と評価、中国との交渉は早ければ2022年に始まるとの見方を明らかにした。
マレーシアは自国の発効に向けた国内手続きが完了しておらず、承認作業を急ぐ考えも表明した。
中国は16日、TPPへの加入を正式に申請した。加入には全加盟国の承認が必要。
(共同通信ニュースより)
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