あなたにも起こり得る『くも膜下出血』、その予防法は？ ～9月15日（水）ニュースワイドSAKIDORI!「SAKIDORIクリニック」

吉田たかよし医師によると「くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、
この3つをまとめて脳卒中と言う。その中で桁違いに怖いのがくも膜下出血だ」
とのこと。
詳しく解説しよう。脳梗塞は脳の血管が詰まる病気、脳出血は脳の血管が破れ
る病気。管が詰まるのと破裂するのと、どちらの症状が重いかというと破裂す
る方が重症。脳梗塞も怖いが、脳卒中の中では軽症。一方、くも膜下出血も血管
は破裂する病気だが、脳出血とは破裂する場所が違う。脳を取り囲むくも膜の
下、くも膜と脳の間の部分、この脳の表面に沿って走っている血管が破れるの
がくも膜下出血。脳出血と決定的に異なるのは破れる血管の太さ。脳に血液を
送る血管は、太い血管が脳の表面のくも膜下を走行していて、そこから次々と
枝分かれした細い血管が脳の内部に入る構造になっている。川に例えると細い
支流が決壊するのが脳出血で、太い本流の河川が決壊するのがくも膜下出血だ。
吉田たかよし医師の解説に、スタジオの水谷アナも思わず身震い。
水谷アナ「脳出血より、くも膜下出血の方がはるかに怖いことがわかります」
吉田たかよし医師が続けた。「くも膜下出血を発症すると3分の1が死亡、3分
の1が重度の後遺症に一生苦しめられ、3分の1が何とか社会復帰にこぎつけ
る。発症するとものすごい頭痛。バットで殴られたような痛みだと言われており、
すぐに意識を失うことも多い。タクシーの運転手さんもそうだったのだ
ろう」　吉田たかよし医師によると、血管の破裂の原因は最も多いのが血管に
コブが出来る動脈瘤。くも膜を通っている血管が大きく枝分かれするところが
あり、血管の流れが左の枝と左の枝ときれいに2つに分かれずに、真ん中の分
岐するところにぶちあたり、毎日圧力がかかる。そしてその部分にコブができ
る。そのコブがだんだん大きくなり破れてしまうというのだ。
　　　　　
では、どのような人がくも膜下出血を起こしやすいのか？
吉田たかよし医師「まずは高血圧の人。元になる血管のコブが血液の圧力で押
されてできるもので、血圧が高いとそれだけできやすいし、できてしまったコ
ブは破れやすい。タバコを吸う人も注意。吸わない人に比べて男性は3.1倍、
女性は2.26倍リスクが高い。タバコの有害成分が動脈硬化を起こして血管を
硬くてモロくさせる。あと、お酒の飲みすぎも注意。
また、塩分の摂り過ぎも血圧が上がり、リスクが高まる」。

少し意外なのは、体形についてだ。太っているほうがリスクが高そうだが、
吉田たかよし医師によると「痩せている人はくも膜下出血を起こしやすい」
のだと言う。特に男性は2.72倍リスクが高い。明確な理由はまだ解明されて
いないが、血液中のコレステロールが低いと脳出血を起こしやすいという研究
論文が複数出ており、血管を健康な状態に保つためにはある程度のコレステロ
ールが必要。脂肪分を極端に排除するダイエットはしない方がいい。それから
血管のコブが一気に大きくなることはなく、徐々に大きくなる。特に40歳か
ら危険性が高まるので一度は脳ドックで、MRIとMRAを受けてほしいとの
こと。血管のコブが見つかった場合、5ミリより小さければすぐに破裂する危
険性は少ないので、血圧をコントロールし、定期的な検査でコブを監視する。5
ミリを超えるコブが見つかったら、手術を検討。頭を開いてコブを丸ごとクリ
ップで止める手術か、血管内に細いカテーテルを通して内側からコブの内部に
プラチナで出来たコイルでぐるぐる巻きにするのだという。

「全てではないが、予兆を見逃さないで欲しい」と、吉田たかよし医師は最後に
強調した。
くも膜下出血は、何日か前から頭痛（警告頭痛）がある。ほんの少し血液が漏
れ、それが神経を刺激し頭が痛くなる。まぶたが下がってきたり、物が2つに見
えていないかもチェックしよう。とにかく日ごろの体調管理に努めることで、
くも膜下出血を最大限予防したい。

「ニュースワイドSAKIDORI!」の毎週水曜日（約17時30分ごろから）
放送している「たかよしクリニック」は、日ごろの健康を司るための知恵が満載
だ。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分～5時50分、文化放送（AM1134KHz、ＦＭ91.6MHz、radiko）で放送中。
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