デキル仕事の思考法#1『浜松町Innovation Culture Cafe』
株式会社マイナビが発表した『転職動向調査2021年版』によりますと、2020年に転職した20代~50代男女の転職率は前年比2.1pt減の4.9%でした。2016年から2019年までは増加傾向にありましたが、2020年は減少に転じ、2018年と同水準となっています。転職に対する考え方については、「転職は前向きな行動である」という回答が前年比1.4pt増の69.7%で、これは過去3年間と比較しても増加傾向にあります。また、「転職は必要である」という意見も半数を超えており、転職に対してポジティブに考えている人が多いことがわかります。さらに新型コロナウイルスの影響で、転職に積極的になった割合は36.9%となり、転職に消極的になった割合19.0%の約2倍となっています。特に「フードサービス」だった人の異業種への転職率は82.4%となっており、ここでも新型コロナウイルスの影響が大きく現れています。
「転職するなら3年働いてからにするべき」という意見を耳にしたことがある人は多いと思います。「石の上にも三年」「商い三年」「桃栗三年柿八年」といった言葉にもあるように、古くから何か成果を出すためにかかる時間の目安として「3年」が使われてきました。社会人1年目で仕事を覚え、2年目で基本的なことをこなせるようになり、3年目でやっと価値創出ができるようになると考えられています。つまり最初の1〜2年は辛いことも多く逃げ出したくなる時もたくさんあるけれど、逃げずに乗り越えていくことで、やっと仕事の面白さを感じられるようになるという考えです。
一方で、かつての終身雇用が衰退し、前述した通り転職に対する意識も変わってきています。また今までにないスピードでビジネスモデルが目まぐるしく変化する時代であり、私たちが働く環境は日々大きく変化しています。3年かけて培った技術が、一瞬にして時代遅れとなってしまうことも起こりうる世の中です。3年という時間は短くありません。自分は本当にこの場所にその時間を費やす意味があるのか。自分は本当にこの場所に求められているのか。自分が本当にやりたいこと、やるべきことは何なのか。3年という数字だけにこだわらず、自分の置かれている状況をよく考え、自分の将来を見据えた上で、しっかりと決断していく力が大事になってきます。
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」9月6日の放送では、フジテレビ チーフビジョナリストの清水俊宏さんと、税理士法人江波戸会計東京支社長でTRYビジネスソリューションズ代表取締役社長の田村麻美さんにご参加いただき、「現在の取り組み」から「自分にフィットする仕事とは」について熱いトークが繰り広げられました。
現在の取り組み
清水 「シゴトズキ」というyoutubeチャンネルを立ち上げ、仕事好きを増やして世界を変えるというミッションを掲げて動いています。コロナ禍で仕事に悩みを抱えている人に向け、仕事好きなメンバーが経験や思考法を語ることで、仕事の面白さを伝えるような教育事業を進めていきたいです。
仕事と作業は別です。お金のための作業にしてしまうと意味がないので、能動的な意思を持って仕事をすることで、結果的に仕事が楽しくなります。「価値組」になることが大事です。
田村 自分の仕事術をまとめた本を出版しました。とにかくやる気のない私が、どうせ仕事をしなければならないのなら、上手い距離感で仕事と向き合うためにはどうすれば良いかを書いています。特にポイントになるのは、自分の立ち位置を客観的に分析することです。自分の能力と周りが求めていることにミスマッチがないか判断することが大事です。
自分にフィットする仕事とは
田村 常に自分の売りになるところを棚卸し、その武器で戦える場所を定期的に分析することです。あとはあなたがどう生きたいか、そしてその業界はどうなのかだと思います。
清水 どんな仕事でも、なぜその仕事を与えられたのか、その価値は何か、疑問に思えるのであれば続ける意味があります。逆に絶対に意味がないと否定してしまえるのならば、続けられません。
仕事は意思と能力の二軸ですが、大してやりたくなく苦手な仕事が必ずしも不幸せとは言えません。それが自分にフィットする仕事になる可能性もあります。
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この記事の番組情報
浜松町Innovation Culture Cafe
月 19:00~19:30
浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…