そもそも派閥って何?なぜボスの命令に従う?伊藤惇夫氏が自民党の派閥を解説〜9月2日「くにまるジャパン極」

そもそも派閥って何?なぜボスの命令に従う?伊藤惇夫氏が自民党の派閥を解説〜9月2日「くにまるジャパン極」

Share

自民党総裁選に向けた自民党内の動きが本格化する中、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、9月2日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で“そもそも自民党の派閥とは何なのか?”そして、“今、派閥の質が大きく変化していること”を説明した。


まず、伊藤惇夫氏は自民党の派閥とは、そもそもどんなものか?説明した。

伊藤氏「そもそも派閥は中選挙区制が生み出した仕組みです。例えば、自民党は政権与党ですから、つねに過半数の候補者を立てます。定数5だったら3以上必ず立てます。そうすると同じ自民党内での戦いが出て来るのでそれぞれ応援団が欲しいわけです。その応援団の役割を果たしているのが派閥です。」

この派閥に入ることで”金”と”選挙”と”ポスト”が所属のメンバーに与えられるという。

伊藤氏「”金”というのは、選挙資金など。“選挙”は、派閥単位で応援すること。“ポスト”は当選した議員たちに、希望のポストを分け与えること。これがあるから派閥のメンバーは派閥に入って、上からの命令に絶対服従する。派閥のボスが総理、総裁を目指す時には全力で支援する。」

しかし、今は”金””選挙””ポスト”の効果は薄いという。

伊藤氏「小選挙区制になって、変わっちゃったんです。金は政治資金規正法がきつくなったから、パーティー等で集めるのは限界がある。そうすると党の金に頼らざるを得ないが、政党交付金は執行部が握っている。選挙は小選挙区で1人しか公認候補がいない。その公認権を握っているのは党を牛耳ってる人たち。ポストはかつての小泉首相のように、派閥に関係なくポストを入れることもある。」

こうした状況にも関わらず、昨年、菅氏が総裁選に当選したケースを見てみると、派閥のボスたちが菅氏を推した際、メンバーたちは誰も文句を言わずにこれに従った。しかし、今回の総裁選は伊藤氏によると、そうはなっていないようだ。

伊藤氏「今回の総裁選を見てると全然違う。最初に二階氏が菅氏を推したが、二階派の議員たちからは“嫌だよ”“このまま菅氏でいったら落ちる”といった意見が出てきている。細田派、麻生派からは誰を支持するか言っていない。あいまいな状態。これは、この人で行くと言ったところで派閥がまとまるかと言ったら、まとまらない状態なんですね。ボスの指示に従わない人が出て票が割れてしまうと、ボスの統率力が問われてしまう。権威失墜になっちゃうわけです。だからあいまいな状態なのかな?」

この派閥の変化を伊藤氏はこう解説する。

伊藤氏「派閥そのものが従来言われていた強固な組織かと思ったら、実はそうではない。選挙が目前に控えた時は、“派閥から言われたからってそれに従うかよ“というムードが出てきている。今回のドタバタ劇は派閥の質に変化を起こしています。」

最後に、伊藤氏は「最終的に総裁選でどういう派閥の動きがあるか見てみないとわかりません。しかし、今回の総裁選は今までの上からの指示に従う状況ではなくなっている気がします。」と言って、話を締めた。

<参考ニュース>
菅義偉首相(自民党総裁)は1日、新型コロナウイルス対策を最優先するため、9月の衆院解散を現時点で否定した。解散による政治空白を極力回避し、党内で根強い総裁選(17日告示、29日投開票)が先送りされるとの見方を払拭するのが狙い。解散権を行使せず、衆院議員の任期満了(10月21日)に伴い次期衆院選を閣議決定する案が強まり「10月5日公示、17日投開票」が軸となる。
党役員人事は6日にも実施する方針を固め、二階俊博幹事長の後任が焦点。石破茂元幹事長、河野太郎行政改革担当相、野田聖子幹事長代行、萩生田光一文部科学相、小泉進次郎環境相らの名前が取り沙汰されている。
(共同通信ニュースより)

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

NOW ON AIR
ページTOPへ