吉崎達彦氏「在職5年の二階幹事長、交代の一報に思うこととは?」~8月31日「くにまるジャパン極」
菅政権が、在職5年を超え歴代最長となっている二階俊博幹事長の交代を含めた衆院選前の党役員刷新を検討していることがわかった。複数の関係者が明らかにしたもので、これを受けてエコノミストの吉崎達彦氏は、8月31日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で今後の展開について話した。
吉崎氏「二階さんが交代すると次の幹事長はどうなるかっていう話なんですけど、今度の総裁選は菅さんに岸田文雄元政調会長が挑戦する一騎打ちが予想されていて、そうなると、党員票がどっちに転ぶかまったく見えなくて、かなりいい勝負になるかも知れない。そうすると今、基本的に様子見モードになってる党内最大派閥の細田派、安倍派プラス麻生派。このワンツーで決まるわけですよね。おそらくね、この2つの派閥にとって一番いいのは『次は甘利(明)君でいいよ』と二階さんが言ってくれたら多分、乗れると思うんです。」
甘利明氏といえば、元経済産業大臣で現在は自民党の税制調査会長。この人が次の幹事長に就任するなら、安倍さん・麻生さんももう少し菅首相を応援してもいいとなるのでは?という吉崎氏。その真意は?
吉崎氏「今までずっと安倍内閣を支えてきたのは麻生副総理兼財務大臣と、菅官房長官と、もう1人が甘利さんだった。麻生さんと菅さんが何かうまくいかない時に、調整役をやっていたのが甘利さんで、その甘利さんが2015年に身内の会計問題で表舞台に出られなくなった際も安倍内閣がちょっとうまくいかなくなってたっていうのがあったと思うんですよね。だから二階さんは出る・引くみたいな一番大事なポイントを逃さなくて、『ここでもう俺はイイよ』と、そういう腹芸を見せたのかな~と、今朝思いましたね。」
8月26日、総裁選に出馬表明した岸田元政調会長が掲げた改革案に対し、不快感を露わにした二階幹事長。それも交代の理由のひとつではないかと吉崎氏は見る。
吉崎氏「何より岸田さんにケンカ売られているわけですよね。岸田さんは『役員は1年で、最高でも3期まで』と党役員の任期制を掲げたんですが、つまり『長すぎる役員は認めませんよ』っていう風に問題定義をされて、まわりから見ると『そりゃそうだよな。5年は長いよな』と、そこは結構『やられたな』っていう感じがあったんじゃないですかね。」
総裁選を前に交代が明るみになった二階幹事長だが、このまま簡単に退陣するだろうか、と野村邦丸氏は疑いの目を向けた。自民党内の今後の動向が注目される。
<参考ニュース>
菅義偉首相(自民党総裁)は衆院選前に党役員を刷新し、二階俊博幹事長を交代させる調整に入った。二階氏も容認した。首相が衆院解散の権限を行使せず、衆院議員の任期満了(10月21日)に伴って次期衆院選を閣議決定する案も政権内で浮上した。「10月5日公示、17日投開票」が軸となる。複数の政権関係者が30日、明らかにした。首相は二階氏と会談し、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策を策定する意向を伝えた。政府、与党は9月の自民党総裁選前の臨時国会召集を見送る方針を固めた。10月上旬の衆院解散案を軌道修正する日程案となる。
(共同通信ニュースより)
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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