日本は「マネロン」に甘い国…国際審査で実質「不合格」判定に ~8月31日「おはよう寺ちゃん」
日本は、テロ組織などにお金が流れる資金洗浄(マネーロンダリング)対策が不十分――。資金洗浄の対策を審査する国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が昨日(8月30日)、13年ぶりに日本に対する評価報告書を発表。日本を「重点フォローアップ国」(実質的な不合格国)と評価した。8月31日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーと、火曜コメンテーターの上武大学教授・田中秀臣氏が、この話題について意見を交わした。
田中秀臣氏「前々から問題。地方銀行などの対策が不十分です」
「(今回の評価は)これまでと同じ3段階評価中、2番目の評価。大手銀行以外の金融機関の取り組みが不十分だとして、地方銀行などに対策強化を促しました。今後3年間、金融活動作業部会への改善報告が毎年求められます。外国の当局による取引審査が厳格化される恐れのある『監察対象国』は免れています」(寺島アナ)
田中氏はこれについて「前々から問題になっていて、特に地方銀行やネットバンキングでの対策が不十分なんです。2020年度で43万件くらい、海外への不正送金の疑いが報告されていて、これは先進国の中では多い部類です」と解説。この背景には、海外送金用口座を容易に開設できること。そして、本人確認が甘いこと、などが挙げられる。
FATFの審査は、資金洗浄対策の関連法整備など40項目と、企業ごとの対策の有効性など11項目をもとにおこなわれている。
「(各項目を見ると)2008年の調査に比べると、法整備で半分以上の項目で改善が見られました。ただ、NPOがテロ組織などに悪用されるのを防ぐ法整備が、4段階中最低評価だったんです。(ほかにも)報告書では、『銀行が、預金口座を開設した後の取引内容の確認や本人確認といった継続的な顧客管理が十分でない』と指摘。取引先企業の背後にいる実質的支配者について、正確かつ最新の情報がまだ一様に得られてない、と分析しました」(寺島アナ)
「資金洗浄・マネーロンダリングの巧妙化が見られますが、今後どのような対策が有効なんですかね」と寺島アナ。田中氏は、地方銀行の取り組みに焦点を当て、次のように回答した。
「地方銀行が資金洗浄の標的になっています。地方銀行の経営体質では、資金洗浄対策にコストをかけられない状態で、海外送金業務から撤退する動きが加速しているんですよ。ただ、これが広がりすぎると、海外で生活している日本人にデメリットが発生します。そのあたりのコストをどのようにするかが問題ですね。顧客への負担転嫁も考えられますが、すると経営体質を弱めてしまうので……悩ましい問題です」(田中氏)
<参考ニュース>
マネーロンダリング(資金洗浄)対策を担う国際組織「金融活動作業部会(FATF)」は30日、13年ぶりとなる日本に対する調査報告書を公表した。総合的な評価は、これまでと同じ3段階中2番目で、大手銀行以外の金融機関の取り組みが不十分だとして、地方銀行などに対策強化を促した。外国の当局による取引審査が厳格化される恐れがある「観察対象国」入りは免れた。政府は改善に向けて行動計画を同日発表した。FATF加盟国で審査を終えた29カ国・地域のうち、最上位は英国やイタリアなど8カ国・地域。日本は米中などと同じ評価で、今後3年間、FATFへの改善報告が毎年求められる。
(共同通信ニュースより)
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