工藤会トップに死刑判決…大谷昭宏氏「よくぞこの判決を出した」〜8月30日「くにまるジャパン極」
特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告に死刑、ナンバー2で会長の田上不美夫被告に無期懲役の有罪判決が言い渡された。
このニュースを受けて、かつて工藤会の幹部を取材した経験のあるジャーナリストの大谷昭宏氏は8月30日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で「よくぞこの判決を出した」と福岡地裁の判決を評価した。
1994年ごろ工藤会の本部で幹部にインタビューしたことがある大谷昭宏氏は、工藤会が凶悪な暴力団であることを説明した。
大谷氏「日本に数多ある暴力団の中で、特定危険指定が付いているのは、この暴力団だけ。極めて凶暴、凶悪な暴力団組織です。今回、起訴された内容でも利権に絡んで、その利権を断った漁業組合の人を殺害しているわけです。1988年には、健康センターに自動販売機を置かせてくれと言ったところ、断られてその健康センターにネズミを殺す“殺鼠剤”をばらまいて、市民150人が病院に運ばれている。」
今回の判決を、大谷昭宏氏は高く評価しているが懸念点もあるという。
大谷氏「よくぞこの判決を出したという感じがする。今回は指揮命令系統への直接証拠がなく、死刑まで持って行った。ただ、これがOKだということが認められ、あらゆる団体に適用されていくと日本の組織社会は完全に弾圧されてしまう。だから福岡基準を作るべきだと私は思う。」
福岡基準とはどういうものか?
大谷氏「反社会勢力と一般的な組織で命令系統は違う。反社の指揮命令系統に限っては、これを適用するとか、事件の残忍性、計画性、動機だとか精査して、これに合致した時にはこれが認められるとか。今回の判決を参考に、そういう基準を作り判決を精査していくべきだと私は思います。」
また、番組では、元暴力団員の更生にあたり、どんな社会を作るべきか話し合われた。
<参考ニュース>
特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)が関わったとされる一般市民襲撃4事件で、殺人と組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われた会トップの総裁野村悟被告(74)に、福岡地裁(足立勉裁判長)は24日、「首謀者として関与し、責任は誠に重大だ」とし、求刑通り死刑判決を言い渡した。指定暴力団トップへの極刑適用は初めてとみられる。直接証拠はなく、弁護側は全面的に無罪を主張したが、判決は、4事件全てで間接証拠から関与を認定できると判断。極めて厳しい刑事責任を負わせた。ナンバー2の会長田上不美夫被告(65)は無期懲役とした。両被告の弁護側は控訴する方針。
(共同通信ニュースより)
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。大谷昭宏氏は月曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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