『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 空き巣に強い家に住みたい! CPマークを意識した家づくりとは・・・?(おとなライフ・アカデミーWEB)
今を楽しく生きるオトナ世代のための情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」。残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、暮らしにまつわる様々な事柄を語り合います。
この連載では、人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2021」で話した内容をもとに大垣さんが執筆した、ここだけのエッセイを掲載中。
ラジオと合わせてもっと楽しい、読んで得する「家とお金」の豆知識です。
2021年7月24日の放送は、このたび娘さんとの2世帯住宅を作ることが決まったリスナーさんから。近所に空き巣被害の多発する家があり、空き巣に入られにくい家を作りたいとのことですが・・・。
空き巣に入られにくい家、どうやって作る?
今回は、家の防犯対策についてお便りをいただきました。早速ご紹介します。
幸いなことに、私は生まれてこの方泥棒とか空き巣に入られることなく過ごしてきました。
が、狙われやすい家というのはあるらしくて、同じ町内でも、2年おきぐらいに被害に遭う家があるんです。そんなに遠くない場所にあるので、ちょっと心配です。
娘の家族と今度2世帯住宅を建てようと思っているんですけれども、空き巣に入られにくい家を作るコツを教えてください。
(西東京市・ちょこらさん、59歳、女性)
注文住宅なら、住宅性能評価書で等級を取るのもアリ
まず、おそらく一番手っ取り早いのは、家を建てる際に、メーカーさんに対して「住宅性能評価書の”防犯対策”で等級を取りたい」と注文を入れること。
住宅性能評価書とは、住宅の性能を評価し、その結果を現した書面のことです。要するに、家の通知表のようなものと考えると分かりやすいです。
通知表は「国語、算数・・・」と、教科ごとに評価をしますが、住宅性能評価書も全く一緒で、分野ごとに評価を行います。
具体的には、いろいろあるのですが、地震等の災害への強さや、家そのものの耐久性、補修や清掃のしやすさ、省エネ対策、空調、採光や音環境への配慮、高齢者・障害者の住みやすさ、そして、防犯対策の10項目です。
家を建てる際に「防犯対策の分野については、高い評価を得られるような家を作って欲しい」とメーカーさんにお願いすれば、難しいことを考えずとも防犯性能の高い家が作れそうですね。
ちなみにこの評価書は、国土交通大臣に登録した第三者評価機関が、全国共通のルールのもとで行うため、どのメーカーで建てても、評価書さえ受けられれば、同程度の性能であることが証明できます。
5分で開けられない鍵なら安全? その根拠とは
さて、警視庁の「住まいる防犯110番」というサイトを見てみると、面白いアンケート結果が載っています。
これは都市防犯研究センターという財団法人が調査した、元泥棒たちへのアンケートなんですね。「かつて空き巣に入っていたとき、鍵を開けるのに何分かかると侵入を諦めたか」という(笑)。よくそんなことを調査するな、と思うんですが。
それによると、2分以上と答えた泥棒が17パーセント、2分〜5分以内と答えた泥棒は51パーセントだったそうです。
つまり、5分かけても開けられないドアや窓、ガラスなら、ほとんどの泥棒が侵入を諦めるんです。これが家の防犯を考える際、一つの目安になっていると。
家のドアや窓が安全かどうかは、○○を見れば一目瞭然
実は、皆さんの家にあるドアや窓が5分で破られないかどうかって、見る人が見れば一目瞭然ということをご存じですか。
チェックするのは、「CPマーク」という緑のマークです。読者の皆さまもぜひ、ご自宅や外出先で、マークの付いたドアや窓がないかチェックしてみてください。
このマークが付いている商品にはドアやガラス、ガラスの保護シート、鍵、サッシ、シャッターなどがあるのですが、これらは全て、侵入までに5分以上かかることが確認されているそうです。
ちなみに、このマークを認定しているのは、「5団体防犯建物部品促進協議会」という、警察庁、国土交通省、経済産業省、住宅生産者団体、建物部品関連団体が一緒になって出来た団体です。マークが付いていれば、ひとまず安心してよさそうですね。
他にもあります、毎日の防犯テクニック
最後に、警視庁のサイトにも、取り入れやすそうな防犯対策が掲載されています。
補助錠を取り付ける、防犯フィルムを貼り付ける、玄関にセンサー付きライトを設置する、庭先に砂利を敷く、新聞を溜め込まないなど、色々な対策方法が載っていますので、ぜひ参考にされてください。
ちなみに、ラジオの中では、残間さんから、「警報機を見えるところに設置する」「表札を男性の名前にする」などのアイデアも出ていましたよ。
盗られるものがあるかどうかに関わらず、空き巣はショックなもの
セコム株式会社のキャッチコピーに「ショックなのは盗られる事より、入られた事」という秀逸なものがありますが、まさに空き巣って、盗られたかどうかに関わらず、入られた時点で、気持ち悪いし、ショックを受けますよね。
ぜひちょこらさんも、取り入れられる対策から取り入れて、娘さんとの二世帯住宅で、平穏な日々をお過ごしください。
お便り、ありがとうございました。
お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
また、皆さまの大切な我が家をケアするパートナーとして、入居者トラブルにも責任を持って対応しています。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
カウンセリングやご相談は無料。資格を持ったスタッフが、皆さまの家についてしっかりとお話をうかがいます。
制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。
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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…